結論:まずこれだけ覚える
商談分割(Opportunity Splits)は、1件の商談を成立させるために貢献した商談チームメンバーへ、売上または支援のクレジットを割合で割り当てる機能です。
- 収益分割(Revenue Split):商談金額に対する直接的なクレジットを配分し、合計を100%にします。
- オーバーレイ分割(Overlay Split):追加の努力や専門知識を評価するクレジットで、合計が100%を超える設定もできます。 商談分割はクレジットを記録する仕組みです。商談の[金額]そのもの、商談の所有者、レコードへのアクセス権限を変更する機能ではありません。
商談分割とは
商談分割は、商談への貢献をチームメンバー別に数値化する機能です。各メンバーの分割クレジットは、予測、クォータ、パイプラインのレポートで集計できます。 商談の所有者、またはロール階層で所有者より上位のユーザーが、必要な商談編集権限を持つ場合に分割を追加・編集できます。
商談チームとの関係
商談分割を利用するには、先にチームセリング、つまり商談チームを有効にします。 商談チームは「誰が商談に関与しているか」と、そのメンバーの役割や商談アクセスレベルを記録する機能です。商談分割は「そのメンバーへどれだけのクレジットを与えるか」を記録します。 分割の有効化時には、商談所有者が商談チームにいなければ自動的に追加され、標準の収益分割では所有者へ100%が初期割り当てされます。管理者が[分割の編集中にユーザーが商談チームへメンバーを追加できるようにする]設定を有効にしていない場合、利用者は先に対象ユーザーを商談チームへ追加してから分割を設定します。
収益分割とオーバーレイ分割
標準の収益分割とオーバーレイ分割は、商談の[金額]項目を基準にします。ただし、分割によって商談レコードの金額が書き換わるわけではありません。金額を基準に、各メンバーのクレジット額と割合を算出します。
| 分割タイプ | 主な用途 | 合計割合 |
|---|---|---|
| 収益分割 | 商談収益に直接責任を持つメンバーへ売上クレジットを配分する | 必ず100% |
| オーバーレイ分割 | デモ、技術支援、専門知識など追加の貢献へクレジットを与える | 100%を超えてもよい |
収益分割の例
主担当者が商談の20%、営業サイクルの大半を担当した別のメンバーが80%というように、合計が100%になるよう配分します。
オーバーレイ分割の例
主担当者の収益分割を100%にしたまま、製品デモを担当した技術者へオーバーレイ分割として20%を追加できます。これは商談金額を120%へ増やす処理ではなく、支援貢献に対する追加クレジットです。
カスタム分割タイプ
管理者は、標準の収益分割とオーバーレイ分割に加えて、最大6個のカスタム分割タイプを作成できます。組織で有効にできる分割タイプは、標準2種類を含めて最大8種類です。 カスタム分割タイプは、別の標準通貨項目、カスタム通貨項目、または通貨項目を集計する積み上げ集計項目を基準にできます。数式の通貨項目は基準にできません。また、分割割合の合計を常に100%にするかをタイプごとに指定できます。
要件から分割タイプを判断する
判断基準は次のとおりです。
- 売上責任や商談収益の取り分を配分したい:収益分割
- 売上の取り分とは別に、追加の努力や専門性を評価したい:オーバーレイ分割
- 商品明細ごとの貢献を配分したい:商談商品分割(Opportunity Product Splits) 「各人の努力のレベルに応じてクレジットを与える」という要件は、追加の努力や専門知識を評価するオーバーレイ分割の典型例です。ただし、選択肢が機能の総称である場合は「商談分割」が正解になります。
有効化と設定の流れ
商談分割は、Performance Edition、Developer Edition、およびSales機能を含むEnterprise Edition・Unlimited Editionで利用できます。
- 一括処理の実行中でないこと、無効な通貨を使用する商談がないこと、プロセスユーザーが所有する商談がないことを事前に確認します。
- [商談チームの設定]でチームセリングを有効にします。
- [商談分割の設定]で商談分割を有効にし、標準分割タイプの名称・有効状態やカスタム分割タイプを設定します。
- 対象の商談ページレイアウトへ[商談分割]関連リストを追加します。
- Lightningレコードページへ[商談分割]コンポーネントを配置します。 有効化には[すべてのデータの編集]権限が必要です。カスタム分割タイプの作成には、[アプリケーションのカスタマイズ]と[すべてのデータの編集]が必要です。
実務上の注意点
- 商談分割はアクセス制御ではありません。オブジェクト権限、組織の共有設定、ロール階層、共有ルール、商談チームで設定する商談アクセスなどは別途管理します。
- 商談チームの「チームの役割」は担当内容を示します。商談へのアクセスレベルは別の設定です。
- 100%必須の分割タイプでは、メンバーの追加・削除後も合計が100%になるよう調整します。
- 分割タイプの無効化はデータを保持しますが、削除は関連データを永久に削除します。標準の分割タイプは削除できません。
- 商談分割機能自体を無効化すると、すべての商談分割・商談商品分割と関連レポートなどが永久に削除されます。この処理は元に戻せません。
試験での判別ポイント
- 「チームメンバーへクレジットを配分」→ 商談分割
- 「直接的な売上クレジット」「合計100%」→ 収益分割
- 「追加の努力・専門性」「100%超も可」→ オーバーレイ分割
- 「誰が商談へ参加しているか、役割、アクセス」→ 商談チーム
- 「レコードを閲覧・編集できるか」→ 権限と共有の問題であり、分割ではない
出典(Salesforce公式)
- Team Selling & Opportunity Splits | Trailhead — 商談チームの役割、収益分割は合計100%、オーバーレイ分割は追加の努力や専門性を評価し100%を超えられること、分割クレジットを予測・クォータ・パイプラインレポートへ反映できることを裏付けています。
- Opportunity Teams and Opportunity Splits | Salesforce Help — 商談チームメンバーへ商談または商談商品のクレジットを配分するという商談分割の基本目的を裏付けています。
- Share Revenue by Using Opportunity Splits and Opportunity Product Splits | Salesforce Help — 分割の追加・編集に必要なレコード上の立場と権限、収益分割、分割関連リストおよびLightningコンポーネントの利用方法を裏付けています。
- Enable Opportunity Splits | Salesforce Help — チームセリングを前提とする有効化手順、利用可能エディション、商談所有者の初期割り当て、ページレイアウトとLightningコンポーネントの設定を裏付けています。
- Get Ready to Enable Opportunity Splits | Salesforce Help — 一括処理、無効な通貨、プロセスユーザーが所有する商談など、有効化前に確認する条件を裏付けています。
- Customize Opportunity Split Types | Salesforce Help — 最大6個のカスタム分割タイプ、使用できる基準項目、数式通貨項目の除外、100%必須設定、必要権限を裏付けています。
- Deactivate or Delete Opportunity Split Types | Salesforce Help — 最大8個の有効な分割タイプ、無効化と削除の違い、標準分割タイプを削除できないことを裏付けています。
- Disable Opportunity Splits | Salesforce Help — 商談分割機能の無効化が不可逆で、分割データや関連レポートを永久に削除することを裏付けています。