結論:まずこれだけ覚える
レコードタイプは、同じオブジェクトのレコードを業務上の種類に分け、種類ごとにビジネスプロセス、選択リスト値、ページレイアウトを切り替える仕組みです。 ただし、レコードタイプはレコードの参照・編集権限を制御するセキュリティ機能ではありません。ユーザーが別のレコードタイプの既存レコードを見られるかどうかは、オブジェクト権限、項目権限、組織の共有設定などで決まります。
レコードタイプで切り替えられるもの
| 切り替える対象 | 役割 |
|---|---|
| ビジネスプロセス | 商談フェーズ、ケース状況、リード状況など、対象の標準プロセス項目で使用できる値を定義する |
| 選択リスト値 | 項目に登録された値のうち、そのレコードタイプで使用できる値を指定する |
| ページレイアウト | プロファイルとレコードタイプの組み合わせごとに表示するレイアウトを割り当てる |
レコードタイプはレコード上に保存されるため、リストビュー、レポート、フローなどの条件にも使用できます。
ビジネスプロセスとの関係
ビジネスプロセスは、特定の標準オブジェクトにある標準の進捗項目で、使用可能な値を定義します。
| ビジネスプロセス | 対象 | 制御する標準項目 |
|---|---|---|
| 販売プロセス | 商談 | フェーズ |
| サポートプロセス | ケース | 状況 |
| リードプロセス | リード | リード状況 |
| ソリューションプロセス | ソリューション | ソリューション状況 |
作成したビジネスプロセスは、対応するレコードタイプへ割り当てます。 **1つのレコードタイプに紐づけられる販売プロセスは必す1つです。**1つの販売プロセスを複数のレコードタイプで使い回すことはできますが、チームごとにフェーズの内容や順序を変えたい場合は、レコードタイプの数だけ販売プロセスも必要になります(3チームならレコードタイプ3つ+販売プロセス3つ)。 カスタムオブジェクトでは、これらの標準ビジネスプロセスを作成しません。通常のカスタム選択リスト値は、レコードタイプごとの選択リスト設定で絞り込みます。
ページレイアウトの割り当て
表示されるページレイアウトは、原則としてプロファイル × レコードタイプの組み合わせで決まります。 たとえば、3つの事業区分をレコードタイプで表し、営業ユーザーとサービスユーザーで異なる画面が必要なら、次の2軸を使います。
- レコードの種類:レコードタイプ
- 見るユーザーの種類:プロファイル すべての組み合わせで画面内容が異なる場合は、3レコードタイプ × 2プロファイルで6種類のページレイアウトが必要です。同じ内容を使える組み合わせでは、同じページレイアウトを再利用できます。 ページレイアウトに項目を置かないことは、項目へのアクセスを完全に禁止する方法ではありません。項目を見せたくない場合は、項目レベルセキュリティも設定します。
ユーザーへレコードタイプを割り当てる方法
プロファイル
プロファイルでは、次を設定します。
- 利用可能なレコードタイプ
- 既定のレコードタイプ
- レコードタイプごとのページレイアウト
権限セット
権限セットでは、ユーザーへ追加のカスタムレコードタイプへのアクセスを付与できます。 ただし、権限セットでは次を設定できません。
- 既定のレコードタイプ
- ページレイアウト
- マスターレコードタイプへのアクセス追加 そのため、権限セットでカスタムレコードタイプを追加するときも、既定値とページレイアウトはユーザーのプロファイル側の設定を確認します。
マスターレコードタイプ
マスターレコードタイプは、カスタムレコードタイプを使用しない場合の基準となるレコードタイプで、選択リストのすべての値を使用します。 「カスタムレコードタイプの割り当てを忘れたら、自動的にマスターが誰にでも追加される」と考えてはいけません。利用可能なレコードタイプと既定レコードタイプは、プロファイルと追加の権限セットを合わせて確認します。権限セットからマスターレコードタイプを追加することはできません。
レコードタイプはセキュリティ機能ではない
レコードタイプへのアクセスは、主にユーザーが新規作成時に選択できる種類や変更先を制御します。 ユーザーのプロファイルにあるレコードタイプが割り当てられていなくても、ほかのアクセス設定によって、そのレコードタイプの既存レコードを参照できる場合があります。
| 要件 | 使用する主な機能 |
|---|---|
| 種類ごとに選択リスト値やページレイアウトを変える | レコードタイプ |
| 商談の種類ごとにフェーズを変える | 販売プロセス+レコードタイプ |
| 項目自体を参照・編集させない | 項目レベルセキュリティ |
| 特定レコードを見せない | 組織の共有設定、ロール階層、共有ルールなど |
| 条件に合わない値を保存させない | 検証ルール |
Lightningレコードページとの違い
ページレイアウトとLightningレコードページは別の設定です。
- ページレイアウト:項目、関連リスト、標準・カスタムボタンなどを管理し、プロファイルとレコードタイプで割り当てる
- Lightningレコードページ:コンポーネント配置を管理し、アプリケーション、レコードタイプ、プロファイルなどを条件に有効化する 「アプリごとに画面全体を変えたい」という要件ではLightningレコードページ、「同じ画面枠の中で項目や関連リストを変えたい」という要件ではページレイアウトを検討します。
設定の流れ
商談で種類ごとにフェーズと画面を変える場合は、次の順で設定します。
- 商談フェーズの値を準備する
- 種類ごとに販売プロセスを作成する
- 必要なページレイアウトを作成する
- 販売プロセスを指定してレコードタイプを作成する
- レコードタイプごとに、ほかの選択リストで利用可能な値を設定する
- プロファイルで利用可能なレコードタイプ、既定値、ページレイアウトを設定する
- 必要なユーザーに、権限セットで追加のカスタムレコードタイプを付与する
- 各プロファイルのテストユーザーで、新規作成時の選択肢と表示レイアウトを確認する
よくある質問
Q. レコードタイプは多いほど良いのですか? いいえ。レコードタイプが増えると、プロファイルごとの割り当て管理とページレイアウトの数が増え、運用が複雑になります。「業務プロセスやフェーズが明らかに異なる」場合にのみ作成します。表示項目を減らしたいだけなら、ページレイアウトの出し分けだけで足りる場合もあります。 Q. 1つのページレイアウトを複数のレコードタイプで共有できますか? できます。ページレイアウトとレコードタイプは1対1である必要はなく、表示項目が同じであれば同じレイアウトを割り当てられます。
よくある誤解
レコードタイプを作ればレコードの閲覧範囲も分かれる
分かれません。閲覧範囲は共有設定などで制御します。
見る人が違うたびにレコードタイプを増やす
レコードの業務上の種類が同じで、見る人によってレイアウトだけを変えるなら、プロファイルとページレイアウトの割り当てを使います。閲覧者の違いを、そのままレコードの種類にしないようにします。
項目を隠すにはレコードタイプだけでよい
レコードタイプはページレイアウトの切り替えに使えますが、項目アクセスを保証するのは項目レベルセキュリティです。
どのオブジェクトでもビジネスプロセスを作れる
作れません。標準ビジネスプロセスは対応する標準オブジェクトと標準プロセス項目に限定されます。
試験での判別ポイント
- 「種類ごとに選択リスト値を変える」→ レコードタイプ
- 「商談の種類ごとにフェーズを変える」→ 販売プロセス+レコードタイプ
- 「種類とプロファイルの組み合わせで画面を変える」→ ページレイアウト割り当て
- 「既定のレコードタイプを決める」→ プロファイル
- 「一部ユーザーに追加のカスタムレコードタイプを与える」→ 権限セット
- 「レコードの閲覧範囲を分ける」→ 共有設定であり、レコードタイプではない
出典(Salesforce公式)
- Tailor Business Processes to Different Record Types Users — レコードタイプによって、異なるビジネスプロセス、選択リスト値、ページレイアウトをユーザーへ提供できることを裏付けています。
- Considerations for Managing Record Type Access — プロファイルが既定レコードタイプとページレイアウトを管理し、権限セットは追加のカスタムレコードタイプへのアクセスを付与すること、マスターは権限セットから割り当てられないことを裏付けています。
- Assign Page Layouts to Profiles or Record Types — レコードタイプを使用する場合、プロファイルとレコードタイプの組み合わせでページレイアウトを割り当てることを裏付けています。
- Assign Record Types and Page Layouts in Profiles — プロファイルで利用可能なレコードタイプ、既定レコードタイプ、ページレイアウトを管理し、レコードタイプの未割り当てが既存レコードの参照を直接禁止するものではないことを裏付けています。