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学んだことを、ゆっくり深く。

レポートが見えなくなる理由を整理する:レポートタイプの公開状態とフォルダの権限

結論:まずこれだけ覚える

ユーザーがレポートを見つけられない、開けない、または期待したデータが表示されない場合は、次の3段階を分けて確認します。

  1. レポートタイプを利用できるか:カスタムレポートタイプが[開発中]ではないか
  2. レポートの保存フォルダを開けるか:非公開、公開、共有フォルダのアクセス条件を満たすか
  3. 基になるデータを参照できるか:オブジェクト権限、項目権限、レコード共有を満たすか レポートタイプをデプロイしても、フォルダへのアクセスは自動的に付与されません。フォルダを共有しても、基になるデータへの権限は増えません。

1. カスタムレポートタイプの配置状況

カスタムレポートタイプには、[開発中]と[デプロイ済み]の配置状況があります。

配置状況利用できるユーザー
開発中(In Development)[カスタムレポートタイプの管理]権限を持つユーザー
デプロイ済み(Deployed)ほかのレポート権限、フォルダアクセス、データアクセスを満たすユーザー

[開発中]のカスタムレポートタイプと、そのレポートタイプを使用するレポートは、[カスタムレポートタイプの管理]権限を持たないユーザーには表示されません。 「作成者なら権限がなくても見える」という独立した例外ではありません。カスタムレポートタイプを作成・管理するユーザーは通常その管理権限を持つため、作成者だけが見えるように見えることがあります。

2. レポートフォルダへのアクセス

レポートはフォルダに保存されます。フォルダの可視性と共有設定が、ユーザーがそのレポートを見つけて開けるかを制御します。

非公開フォルダ

ユーザー個人の非公開フォルダにあるレポートは、原則としてそのユーザーだけがアクセスします。 拡張フォルダ共有では、[すべてのデータの参照]や[公開フォルダのレポートを管理]などの広い権限を持つユーザーでも、他のユーザーの非公開フォルダにはアクセスできません

公開フォルダ

組織全体向けに公開されたフォルダです。利用には、組織のフォルダ共有方式に応じた公開フォルダ参照権限などが必要です。 「公開」という名前でも、レポート機能自体の権限や基になるデータへのアクセスまで自動付与するわけではありません。

共有フォルダ

特定のユーザー、ロール、公開グループなどへ共有するフォルダです。共有時には、一般に次のアクセスレベルを使い分けます。

アクセスレベル主な操作
参照フォルダ内のレポートを表示・実行する
編集フォルダ内のレポートを編集・保存する
管理内容の管理に加えて、フォルダ共有を変更する

実際に選べる共有先と操作は、組織の機能、ライセンス、権限によって異なります。

3. レポートの基になるデータへのアクセス

フォルダへのアクセスは、レポートファイルへのアクセスです。レポートが参照するレコードや項目への権限とは別です。 レポート結果には、主に次が影響します。

  • 対象オブジェクトの参照権限
  • 項目レベルセキュリティ
  • 組織の共有設定、ロール階層、共有ルール、チームなどによるレコードアクセス
  • レポートのフィルター条件
  • レポートタイプが定義するオブジェクト関係 たとえば、共有フォルダのレポートを開けても、給与項目への参照権限がなければ、その項目をレポートで利用できません。また、取引先への参照権限があっても、共有設定によりアクセスできない取引先レコードは通常のレポート結果に含まれません。

3つの制御は独立している

状況起きること
レポートタイプが開発中管理権限がないユーザーは、そのタイプとレポートを利用できない
レポートタイプはデプロイ済みだが、フォルダにアクセスできないレポートを見つける、または開くことができない
レポートとフォルダは開けるが、データ権限がないレポートが空になる、行や項目が不足する、または利用できない項目がある

1つの設定だけ直しても、別の段階でアクセスが止まっていれば解決しません。

切り分け手順

対象ユーザーとして、次の順で確認します。

  1. [レポート]の[新規レポート]で、対象のカスタムレポートタイプを選べるか
  2. カスタムレポートタイプが[デプロイ済み]か
  3. 対象レポートがどのフォルダに保存されているか
  4. そのフォルダが非公開、公開、共有のどれか
  5. 対象ユーザーまたはユーザーが属するロール・グループへ、必要なフォルダアクセスがあるか
  6. 対象オブジェクトと項目への参照権限があるか
  7. レコード共有とレポートフィルターを満たすデータがあるか 管理者として確認すると広い権限で問題が再現しないことがあります。可能なら対象ユーザーでログインするか、ユーザーの実効権限と共有アクセスを確認します。

よくある誤解

カスタムレポートタイプの作成者なら、開発中でも必ず見える

基準は作成者かどうかではなく、[カスタムレポートタイプの管理]権限です。

デプロイ済みにすれば全員がレポートを開ける

デプロイはレポートタイプを一般利用可能な状態にする設定です。フォルダ共有、レポート権限、オブジェクト・項目・レコードアクセスは別途必要です。

[すべてのデータの参照]があれば、他人の非公開フォルダも見える

拡張フォルダ共有では、他のユーザーの非公開フォルダは対象外です。

フォルダを共有すれば、レポート内のデータも共有される

フォルダ共有はレポートへのアクセスを制御します。基になるレコードや項目へのアクセスは増えません。

新規レポートは必ず非公開フォルダへ保存される

保存先はユーザーが選択したフォルダや組織の操作状況によって決まります。「新規作成したから非公開」と決めつけず、実際の保存先を確認します。

試験での判別ポイント

  • 「カスタムレポートタイプを他ユーザーが選べない」→ 配置状況が[開発中]でないか確認
  • 「作成者だけがレポートを見られる」→ 非公開フォルダ、または[開発中]のレポートタイプを確認
  • 「共有フォルダのレポートは開くがデータが少ない」→ オブジェクト・項目・レコードアクセスとフィルターを確認
  • 「他人の非公開フォルダを管理者が見られない」→ 拡張フォルダ共有では仕様どおり

出典(Salesforce公式)

  • Create a Custom Report Type in the Enhanced Custom Report Type Builder — [開発中]のカスタムレポートタイプとそのレポートは、[カスタムレポートタイプの管理]権限を持つユーザー以外には非表示になることを裏付けています。
  • Report and Dashboard Folders — レポートの既定の保存先と、非公開フォルダ内のレポートがフォルダ作成者以外には表示されないことを裏付けています。
  • Access Levels for Report and Dashboard Folders — Viewer、Editor、Managerのアクセスレベルと、フォルダ共有がレポート内データへのアクセスとは別であることを裏付けています。
  • Field Permissions — 項目レベルセキュリティがレポートを含むSalesforce全体で項目の可視性を制御することを裏付けています。
  • Object Permissions — オブジェクト権限がレコードの参照・作成・編集・削除に対する基礎アクセスを定義することを裏付けています。