結論:まずこれだけ覚える
Salesforceのケース自動化ルール(割り当てルール・自動応答ルール・エスカレーションルール)は、すべて同じ二階建て構造でできています。
- ルール(1階)= エントリをまとめる入れ物。同じオブジェクト・同じルール種別では、原則として有効にできるのは1つだけです。たとえばケースでは、割り当てルール、自動応答ルール、エスカレーションルールをそれぞれ1つずつ有効にできます。
- ルールエントリ(2階)= 条件と処理内容の組。1つのルールに複数作成でき、上限は3,000件です。並び順の上から評価され、最初に一致したエントリが採用されます。 ここから導かれる鉄則がひとつあります。 「条件ごとに処理を分けたい」ときは、ルールを増やすのではなく、エントリを増やす。 試験で、同じルール種別について条件別に複数の有効ルールを作る選択肢が出た場合は注意します。通常は、1つの有効ルールの中に条件別のエントリを作ります。
用語をひとつずつ噛み砕く
ルールとは
設定画面で[新規]を押して作る、いちばん外側の箱です。作るときに入力するのは、ルール名と[有効]チェックボックスだけです。この時点では、まだ何の条件も何のアクションも持っていません。 重要なのは有効化の挙動です。自動応答ルール、エスカレーションルール、割り当てルールは、それぞれ同じオブジェクト・同じルール種別で有効にできるのが1つです。ケースでは、3種類のルールを同時に1つずつ有効化できますが、ケース自動応答ルールを2つ同時に有効化する、といった構成はできません。
ルールエントリとは
ルールを保存したあと、そのルールを開いて追加していく中身です。1エントリにつき、次の3つを設定します。
- 並び替え順(Sort Order):評価される順番
- 条件:どんなレコードがこのエントリに当てはまるか(例:優先度=高)
- アクション:当てはまったら何をするか(送るメールテンプレート、割り当て先のユーザーやキュー、エスカレーション先など) Salesforce公式は「並び替え順が、Salesforceがルールエントリを評価する順序を決める」「最初のルールエントリが一般的すぎる条件だと、そこで一致してしまい、後続のルールエントリは評価されない」と説明しています。 これが二階建て構造の肝です。条件ごとの分岐は、すべてこのエントリの層で表現します。
3種類のルールの役割分担
| ルール | いつ動くか | 何をするか |
|---|---|---|
| 割り当てルール | ケース/リードの作成時(または[有効な割り当てルールを使用して割り当て]がオンの更新時) | レコードの所有者をユーザーまたはキューに設定する |
| 自動応答ルール | Web-to-Case、Email-to-Case、Web-to-Lead でレコードが作成されたとき | 顧客へ自動返信メールを送る(テンプレートをエントリごとに選べる) |
| エスカレーションルール | ケースが一定時間オープンのままのとき | 所有者を変更する、指定ユーザーへ通知する |
3つとも「ルール+エントリ」の構造は同一です。違うのは起動タイミングとアクションの種類だけだと覚えると、設問の切り分けが一気に楽になります。
実務での作成手順(自動応答ルールの例)
- [設定]のクイック検索に
ケース自動応答ルールと入力し、選択する - [新規]をクリックし、ルール名を入力して[有効]にチェックを入れ、保存する
- 作成したルールのリンクをクリックして開く
- [ルールエントリ]の[新規]をクリックする
- 並び替え順、条件(例:優先度=高)、送信するメールテンプレートを指定して保存する
- 条件のパターンの数だけ、手順4〜5を繰り返す エスカレーションルールと割り当てルールも「ルールを作り、その中にエントリを作る」という構造は同じです。ただし、設定する処理内容は異なります。エスカレーションルールでは、1つのルールエントリに時間をずらしたエスカレーションアクションを最大5件設定できます。
よくある質問
Q. 条件が3パターンあるなら、同じ種類のルールを3つ作ればよいのでは? ルール自体は複数保存できますが、同じオブジェクト・同じルール種別で有効にできるのは1つです。3パターンは1つの有効ルールの中に3つのエントリとして作ります。 Q. 複数のエントリの条件に同時に当てはまったらどうなりますか? 並び替え順が早いほうだけが実行され、後続は評価されません。細かい条件を上、一般的な条件を下に置くのが原則です。 Q. どのエントリにも当てはまらなかったら? Web-to-CaseまたはWeb-to-Leadでは、各設定画面に指定した既定の応答テンプレートが使われます。Email-to-CaseとOn-Demand Email-to-Caseには既定テンプレートがないため、返信漏れを防ぐには条件を設定しない最終ルールエントリを作成します。
出典(Salesforce公式)
- Set Up Auto-Response Rules(Salesforce Help) — ケース用・リード用に同時に有効化できる自動応答ルールはそれぞれ1つであること、ルールエントリを並び順に評価して最初に一致したテンプレートを送ること、Email-to-Caseには既定テンプレートがないため条件なしの最終エントリが推奨されることを裏付ける
- Enhance Customer Service with Automated Case Management(Trailhead) — 自動応答ルール/エスカレーションルールの作成手順として、ルールを有効化してからルールエントリを追加し、メールテンプレートなどを設定する構成を裏付ける
- Escalation Rule Entries — 「並び替え順が、Salesforceがルールエントリを評価する順序を決める」「通常、組織では複数のルールエントリで構成された1つのエスカレーションルールを使う」「最初のルールエントリが一般的だと、そこで一致し、後続のルールエントリは評価されずにケースがエスカレーションされる」
- Case or Lead Assignment Rules fail to set the Owner — 「[有効]チェックボックスを確認して割り当てルールを有効にする(有効にできるのは一度に1つだけ)」
- Salesforce Auto-Response Emails Sent from Unexpected Address — ケース/リードの属性に応じて異なるメールテンプレートを選べることと、どのエントリにも一致しない場合の既定テンプレートの扱い
- Limits for Assignment, Auto-Response, and Escalation Rules — 割り当てルール、自動応答ルール、エスカレーションルールでは、1ルールあたり最大3,000件のエントリを作成できること
- Set Up Escalation Rules — 有効なエスカレーションルールは1つであることと、1つのルールエントリに最大5件のエスカレーションアクションを設定できること
- When Do Rules Execute? — 保存時に入力規則、割り当てルール、自動応答ルール、ワークフロールール、エスカレーションルールの順で処理されること