結論:まずこれだけ覚える
Salesforceで「あるユーザーが何をできるか」は、次の2段構えで決まります。
- ライセンスが「そもそも触れる機能の上限」を決める
- プロファイルと権限セットが「その上限の中で、実際に何を許可するか」を決める つまり、プロファイルや権限セットをどれだけ丁寧に設定しても、ライセンスが許していない機能は絶対に使えません。「権限は付けたはずなのに使えない」というトラブルの多くは、ここが原因です。
ライセンスは3種類ある
Salesforceで管理者が日常的に扱うライセンスは、大きく3種類です。
ユーザライセンスとは
ユーザー1人に必ず1つだけ割り当てる、土台となるライセンスです。ユーザーレコードの[ユーザライセンス]項目で指定します。 ユーザライセンスは、そのユーザーが使えるオブジェクト・機能の範囲を決めるだけでなく、割り当てられるプロファイルの候補も決めます。たとえば「Salesforce」ライセンスと「Salesforce Platform」ライセンスでは、選べるプロファイルの一覧が違います。 Salesforce Platform ライセンスは、標準 CRM 機能へのフルアクセスを必要とせず、主にカスタムアプリを使うユーザー向けです。取引先、取引先責任者、レポート、ダッシュボードなどのコアプラットフォーム機能を利用できますが、リード、キャンペーン、商談など一部の標準 CRM オブジェクトやアプリには利用制限があります。利用可能な標準オブジェクトは、契約している SKU や追加の権限セットライセンスも含めて確認します。 重要な性質: ユーザライセンスは後から気軽に変えるものではありません。ライセンスを変更すると、割り当て可能なプロファイルが変わるため、プロファイルの再指定が必要になります。
機能ライセンスとは
ユーザライセンスに追加して、特定の機能を使えるようにする「オプション」です。ユーザーレコードの詳細画面にあるチェックボックス(例:[Service Cloudユーザー][Marketing User])で有効にします。 代表例が Service Cloudユーザー機能ライセンスです。公式ヘルプは「Service Cloudユーザー機能ライセンスは、サービスコンソールなどの追加機能をユーザーに利用可能にする」と明記しています。サポート担当者にサービスコンソールを使わせたいときは、プロファイルの設定よりも先に、この機能ライセンスの有無を確認します。 1ユーザーに複数の機能ライセンスを付けられる点が、ユーザライセンスとの決定的な違いです。
権限セットライセンスとは
権限セットライセンスは、ユーザライセンスに含まれていない追加機能を利用できる資格です。通常は、権限セットライセンスの割り当てと、対象機能の権限を含む権限セットの割り当ての両方が必要です。 たとえば Salesforce Platform ユーザーに Lightning コンソールアプリを利用させる場合、組織が Lightning Console 権限セットライセンスを契約していれば、Lightning Console User 権限を含む権限セットを割り当てられます。一方、Salesforce ユーザライセンスを持つユーザーでは Lightning Console User 権限が標準で有効です。コンソールアクセスは、ユーザライセンス、機能ライセンス、権限セットライセンスの組み合わせを確認して判断します。
3種類の比較表
| 種類 | 1ユーザーあたり | 設定場所 | 役割 |
|---|---|---|---|
| ユーザライセンス | 必ず1つだけ | ユーザーレコードの[ユーザライセンス] | 使える機能とプロファイル候補の土台を決める |
| 機能ライセンス | 複数可 | ユーザーレコードのチェックボックス | 特定機能(例:サービスコンソール)を追加で解放する |
| 権限セットライセンス | 複数可 | 権限セットライセンスと対応する権限セットの割り当て | ユーザライセンスに含まれない追加機能の利用資格を与える |
ライセンスとプロファイル・権限セットの関係
順番で考えると迷いません。
- ライセンスで枠を確保する — ここに無い機能は、どうやっても使えない
- プロファイルで基本設定を与える — ログイン時間、デフォルトのレコードタイプ、ページレイアウトなど
- 権限セット(および権限セットグループ)で個別に上乗せする — 「この人だけ追加で使わせたい」を実現する 公式ヘルプも、プロファイルはデフォルト設定とレイアウトの構成に使い、オブジェクト・ユーザー・項目の権限付与は権限セットと権限セットグループで行う、という方針を示しています。プロファイルを人数分クローンして増やすのではなく、権限セットで差分を吸収するのが現在の推奨です。
管理者としての確認手順
ユーザーが「機能が使えない」と言ってきたときは、上から順に潰します。
- [設定]→[ユーザー]→ 対象ユーザーを開き、[ユーザライセンス]を確認する
- 同じ画面で、必要な機能ライセンスのチェックボックス(例:[Service Cloudユーザー])が入っているか確認する
- プロファイルに、そのアプリケーション・オブジェクト・タブへのアクセスがあるか確認する
- 足りない権限は、プロファイルを直接いじらず権限セットで追加する
- [設定]→[会社の情報]で、そのライセンスの残数があるか確認する
よくある質問
Q. 権限セットを割り当てれば、ユーザライセンスに含まれない機能も使えますか? 権限セットだけでは使えません。対象機能に権限セットライセンスが用意され、組織がそのライセンスを契約している場合は、権限セットライセンスと対応する権限セットを組み合わせてユーザライセンスの機能を拡張できます。必要なライセンスがない状態では、権限セットの割り当て時にエラーになります。 Q. プロファイルの一覧に目的のプロファイルが出てきません。 ユーザライセンスの選択が原因であることがほとんどです。ユーザーレコードでライセンスを選び直すと、選択できるプロファイルの一覧も切り替わります。 Q. 機能ライセンスや権限セットライセンスを割り当てられるかは、どこで確認しますか? [設定]の[会社の情報]で、組織に用意されているライセンスと割り当て状況を確認します。追加購入が必要か、既存契約に含まれるかはライセンスと契約内容によって異なるため、必要に応じて Salesforce の担当者へ確認します。
出典(Salesforce公式)
- ライセンスの概要 — 「ユーザライセンス、機能ライセンス、権限セットライセンスといった種類があり、それぞれが利用可能な機能を規定する」
- Standard User Licenses — Salesforce Platform が主にカスタムアプリ向けであり、利用できる標準 CRM 機能に制限があることを裏付ける
- Available Feature Licenses — Service Cloud User 機能ライセンスが Salesforce Console for Service へのアクセスを付与することを裏付ける
- Permission Set Licenses — 権限セットライセンスがユーザライセンスに含まれない追加機能を利用可能にすることを裏付ける
- Create and Assign Lightning Console Permission Sets — Salesforce Platform ユーザーに Lightning Console 権限セットライセンスと権限セットを割り当てる条件を裏付ける
- Who Can Access Lightning Console Apps? — Lightning コンソールアプリに必要な権限とプロファイル割り当てを裏付ける
- Service Cloud 機能ライセンスのユーザーへの割り当て — 「Service Cloud User 機能ライセンスは、サービスコンソールなどの追加機能をユーザーに利用可能にする」
- ユーザーのオブジェクト・ユーザー・項目権限の設定 — 「プロファイルでデフォルト設定とレイアウトを構成し、権限セットと権限セットグループでオブジェクト・ユーザー・項目の権限を付与する」