Administrator 練習問題 Q289
Northern Trail Outfittersは、組織にバックアップ管理者を設定したいと考えています。管理者が設定された後、その管理者は管理業務を一切実行できないと報告しています。アクセスの問題の考えられる原因はどれですか?2つの答えを選択してください
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正答:B. Salesforce Platformライセンスでは、システム管理者プロファイルを使用できません。 / D. ユーザーに委任管理者グループのアクセス権が付与されていました。
解説
前提知識
ユーザライセンスとプロファイルの関係
Salesforceでは、ユーザー1人に必ず1つの「ユーザライセンス」を割り当てます。これは「そのユーザーがそもそも触れる機能の上限」を決める土台です。そして重要なのは、ユーザライセンスによって、割り当てられるプロファイルの候補が変わるという点です。 Salesforce Platform ライセンスは、カスタムアプリケーションを中心に利用し、標準 CRM 機能へのフルアクセスを必要としないユーザー向けです。Salesforce公式は、各プロファイルは1つのユーザライセンス種別に属すること、またシステム管理者プロファイルは Salesforce ユーザライセンスに基づいて割り当てるプロファイルであることを示しています。そのため、Salesforce Platform ライセンスのユーザーにはシステム管理者プロファイルを割り当てられません。
システム管理者プロファイルとは
「すべてのデータの参照」「すべてのデータの編集」といった特権を含み、設定変更やカスタマイズができる標準プロファイルです。バックアップ管理者を作るなら、このプロファイル(またはそれを複製したカスタムプロファイル)を割り当てるのが基本です。
委任管理者(委任管理)とは
「システム管理者の仕事のうち、一部だけを他の人に任せる」ための仕組みです。[設定]の[委任管理]で委任管理者グループを作り、次の範囲を明示的に指定します。
- 管理できるロール(およびその配下のロール)のユーザー
- 割り当てられるプロファイル
- 管理できるカスタムオブジェクト、割り当てられる権限セットや公開グループ 重要なのは、委任管理者は指定された範囲の中でしか操作できないという点です。権限の広い管理者になるどころか、通常のシステム管理者よりはるかに狭い箱の中に入れられます。組織全体の設定変更もできません。
📘 ライセンス・プロファイル・権限セットの役割分担がまだモヤッとする方へ:Salesforceのライセンスの仕組み:できることの上限はどこで決まるのか
設問の状況を分解する
- Northern Trail Outfitters は「バックアップ管理者」を用意したい
- 管理者としてユーザーを設定した
- しかし、その人は管理業務を一切実行できないと報告している
- つまり、ログインはできているが、管理者としての権限が働いていない 初学者が誤解しがちなのは、「ログインできない」と「ログインはできるが管理業務ができない」を混同することです。設問は後者です。したがって、ログイン自体を不可能にする原因(無効ユーザーなど)は答えになりません。 原因として成立するのは、次の2パターンだけです。
- ライセンスの制約で、そもそも管理者プロファイルを割り当てられていない
- 管理権限が「限定された委任」の形でしか与えられていない
選択肢の検討
A. ユーザーレコードにロールを指定する必要があります。 → ✕
ロールはレコードの共有(誰のレコードを見られるか)を階層で制御する仕組みで、設定を変更する権限とは無関係です。ロールは必須項目でもなく、未設定でも管理業務は実行できます。「上司が部下のレコードを見られない」という症状ならロールの不備が原因になります。
B. Salesforce Platformライセンスでは、システム管理者プロファイルを使用できません。 → ⭕ 正解
ユーザライセンスが Salesforce Platform だと、割り当てられるプロファイルはプラットフォーム向けの限定的なものになります。管理者用のプロファイルを選べないため、「管理者として作ったつもりなのに何もできない」という症状が発生します。対処は、ユーザライセンスを Salesforce に変更し、あらためて管理者プロファイルを割り当てることです。
C. [有効]チェックボックスはデフォルトでオフになっています。 → ✕
この選択肢は、設問の症状と一致しません。ユーザーが無効であれば Salesforce にログインできず、管理権限の不足を確認する段階まで進めません。管理画面に入れるものの管理操作ができない場合は、ユーザライセンス、プロファイル、権限セット、委任管理の範囲を確認します。
D. ユーザーに委任管理者グループのアクセス権が付与されていました。 → ⭕ 正解
委任管理者はフル管理者ではなく、委任管理者グループに明示されたロール、プロファイル、権限セット、カスタムオブジェクトなどの範囲だけを管理するスコープ付き管理者です。Salesforce公式は、委任管理を使用すると委任範囲がフィルターとして働くことを説明しています。バックアップ管理者として必要な権限を委任管理だけで与えていた場合、組織全体の管理業務は実行できません。なお、委任管理者グループへの所属自体が既存のシステム管理者権限を取り消すわけではありません。
管理者としての対処手順
- [設定]→[ユーザー]→ 対象ユーザーを開き、[ユーザライセンス]を確認する
- Salesforce Platform などの限定ライセンスなら、Salesforce ライセンスに変更する(ライセンス変更でプロファイルの再指定が必要になる)
- プロファイルにシステム管理者(または同等のカスタムプロファイル)を割り当てる
- [設定]→[委任管理]を開き、そのユーザーが委任管理者グループにのみ入っていないか確認する
- 恒久的な権限付与は、プロファイルを複製して増やすのではなく権限セットで行う
- [設定]→[会社の情報]で、割り当てたいライセンスの残数があるか確認する
| 症状 | まず疑う場所 |
|---|---|
| ログインできない | [有効]チェックボックス、ログイン時間、IP範囲、パスワード |
| ログインできるが設定画面が出ない | ユーザライセンスとプロファイル |
| 一部のユーザー管理だけできる | 委任管理者グループの設定範囲 |
| 他人のレコードが見えない | ロール階層、共有設定 |
あわせて覚えておきたいポイント
- バックアップ管理者を用意する目的は、権限の集中による事故(主管理者の不在、退職、ロックアウト)を避けることです。実務では最低2名の管理者を置くのが定石です。
- 委任管理は「職務の分離」を実現するための機能です。人事担当に部門ユーザーの作成だけ任せる、といった用途に向きます。
- 権限が足りないときにプロファイルを都度クローンしていくと管理不能になります。差分は権限セットと権限セットグループで吸収します。
出典(Salesforce公式)
- Standard User Licenses — Salesforce Platform はカスタムアプリ向けで、標準 CRM 機能へのフルアクセスを必要としないユーザー向けであることを裏付ける
- Profiles — 各プロファイルが1つのユーザライセンス種別に属することを裏付ける
- What Happens When You Purchase Salesforce — Salesforce ユーザライセンスに基づいてシステム管理者プロファイルを割り当てる例を示す
- Delegate Administrative Duties — 委任管理者が指定された範囲の限定的な管理権限を持つことを裏付ける
- Set up a Delegated Administrator — 委任管理がスコープ付き管理として機能し、委任グループの設定が管理対象を絞り込むことを裏付ける
- Set up a Delegated Administrator — 「委任管理者グループでは、管理対象のロールと、割り当て可能なプロファイルを明示的に指定する」
- 標準プロファイル — 「すべてのSalesforce組織には、ユーザーに割り当てることができる標準プロファイルが含まれる」
- ユーザープロファイル権限の説明 — 「『ユーザーの管理』はユーザーの作成・編集・無効化とプロファイルやロールの管理を許可する」