結論:まずこれだけ覚える
ケースの状況項目に出てくる選択肢は、レコードタイプの設定画面では編集できません。サポートプロセスという別の設定で決まります。 「技術サポートのケースでは5つ、請求のケースでは4つだけ状況を出したい」という要件は、必要な数だけサポートプロセスを作り、それぞれをレコードタイプに割り当てて実現します。
用語の整理
レコードタイプとは
同じオブジェクトの中に「種類」を作る仕組みです。ケースオブジェクトに「技術サポート」「請求」という2つのレコードタイプを置けば、種類ごとに違うページレイアウト、違う選択リストの値、違う入力画面を出せます。
サポートプロセスとは
ケースの**状況(Status)**選択リストの中から、「この種類のケースではこの値だけ使う」という部分集合を定義する、ケース専用の仕組みです。 Salesforceには同じ発想の仕組みが3つあります。名前が違うだけで、考え方は同じです。
| オブジェクト | 仕組みの名前 | 絞り込む項目 |
|---|---|---|
| ケース | サポートプロセス | 状況 |
| 商談 | 販売プロセス | フェーズ |
| リード | リードプロセス | 状況 |
この3つは選択リストの中でも特別扱いされています。だから、他の選択リスト項目のようにレコードタイプの編集画面から値を出し入れすることができません。
なぜレコードタイプ側で直接編集できないのか
ケースの状況値は、単なる選択肢ではなく「クローズ済みかどうか」といった業務上の意味を持ちます。Salesforceはこれをプロセスとして定義させ、レコードタイプはそのプロセスを選ぶだけにしています。 そのため、設定の順序は必ず次のとおりです。
- 状況(Status)項目のマスター選択リストに、必要な値をすべて用意する
- サポートプロセスを作り、そのプロセスで使う値だけを選ぶ
- レコードタイプを作り、使用するサポートプロセスを指定する
- レコードタイプをプロファイルに割り当てる 手順1を飛ばすと、サポートプロセスの選択画面に値が出てきません。「新しく作った状況値がレコードタイプで選べない」ときは、状況項目のマスター値とサポートプロセスの選択済み値を順に確認します。
設定手順
- [設定]→ クイック検索に「サポートプロセス」と入力 →[サポートプロセス]
- [新規]をクリックし、既存のサポートプロセスに –マスター– を選ぶ(全値が候補に入る)
- サポートプロセス名を入力して保存
- 選択済みの値から不要なものを[削除]し、必要な値だけを残す。必要に応じて、そのサポートプロセスのデフォルト状況を指定する
- [オブジェクトマネージャ]→[ケース]→[レコードタイプ]→ 対象レコードタイプを編集
- [サポートプロセス]に手順3で作ったものを指定して保存
よくある質問
Q. 1つのサポートプロセスを複数のレコードタイプで使えますか。 使えます。同じ状況セットでよい種類同士は共有して構いません。逆に、種類ごとに違う値を出したいなら、サポートプロセスも分けて作る必要があります。 Q. 状況値そのものを減らせばいいのでは。 それは全社共通の選択肢を減らす操作です。ある部門で必要な値まで消えるので、部門ごとに違う運用がしたいという要件には応えられません。 Q. 状況値の表示順をサポートプロセスごとに変えられますか。 サポートプロセスは使用可能な状況値の部分集合を選ぶ設定です。状況値の並び順は、[オブジェクトマネージャ]→[ケース]→[項目とリレーション]→[状況]のマスター値で[並び替え]を行います。したがって、同じ状況値をサポートプロセスごとに別順序へ並べる設定ではありません。 Q. デフォルトの状況を種類ごとに変えられますか。 サポートプロセスごとにデフォルト値を設定できます。種類ごとに異なるデフォルトを使う場合は、サポートプロセスを分け、それぞれを該当するレコードタイプに割り当てます。 Q. サポートプロセスに追加した「クローズ済み」の状況が画面に出ません。 Lightning Experienceでは、[サポート設定]の[ケースの状況項目にクローズ済みの状況を表示]が無効だと、クローズ済みの状況値が状況選択リストから除外されます。サポートプロセスへの追加だけでなく、この組織設定も確認します。
出典(Salesforce公式)
- Set Up Support Processes and Record Types — 「サポートプロセスは、ケースのレコードタイプに応じて、ケースレコードの状況項目に表示される値を決定する」(本記事の決定的根拠)
- Create and Manage Stages and Sales Processes(Trailhead) — プロセスを新規作成し、–マスター– から不要な値を削除して部分集合を作る手順(商談の販売プロセスの例。サポートプロセスも同じ操作体系)
- Understand and Customize Sales Processes and Paths(Trailhead) — レコードタイプに割り当てられたプロセスで選択済みの値だけが対象選択リストに表示されること
- Optimizing Case Management Workflow(Trailhead) — ケースの状況値の追加・並び替えは[ケース]の[状況]項目で行い、その後サポートプロセスで使用する値を選択するという設定順序
- Unable to Assign the ‘Closed’ Option on Salesforce Case Status Picklist Values — クローズ済み状況をサポートプロセスの選択済み値に含める必要があり、状況項目に表示するにはサポート設定も有効にすること
- Customize Support Settings — [Show Closed Statuses in Case Status Field]が、ケースの状況項目にクローズ済み状況を追加する設定であること