Administrator 練習問題 Q299
Cloud Kicks のシステム管理者は、Salesforce でマーケティング活動の詳細を記録し始めたいと考えています。メール、展示会、ウェビナーのそれぞれを管理し、かつ各取り組みで異なる種類の情報を記録する必要があります。管理者はこれをどのように実現すべきですか?
左の○で回答を選択。本文を押すと横線で除外でき、もう一度押すと戻せます。
1つ選択してください(0/1)
正答:C. キャンペーンの種類ごとにレコードタイプとページレイアウトを作成する
解説
前提知識
キャンペーンとは
キャンペーンは、マーケティング施策(メール配信、展示会、ウェビナー、広告など)1件を1レコードとして記録する標準オブジェクトです。誰を対象にしたか(キャンペーンメンバー)、どれだけ費用をかけたか、どれだけ商談につながったかを追跡します。本問の「マーケティング活動の詳細を記録したい」は、そのままキャンペーンオブジェクトの用途です。
レコードタイプとは
レコードタイプは、同じオブジェクトの中に複数の「種類」を作り、種類ごとに違う画面・違う選択肢・違う業務プロセスを使わせる仕組みです。Salesforce公式でも「レコードタイプは、ユーザーが利用できるビジネスプロセス、ページレイアウト、選択リスト値を決定する」と定義されています。 同じキャンペーンオブジェクトでも、
- メール配信なら「配信数」「開封率」を入力したい
- 展示会なら「会場」「ブース費用」を入力したい
- ウェビナーなら「配信ツール」「視聴時間」を入力したい というように、種類ごとに入力してほしい項目が違う。この「種類ごとに画面を変える」を実現するのがレコードタイプです。
💡 レコードタイプの考え方がまだモヤッとする方へ → レコードタイプとは何か:同じオブジェクトに複数の「種類」を作る仕組み
ページレイアウトとは
ページレイアウトは、レコードの詳細・編集画面にどの項目を、どの順番で、どのセクションに表示するかを定義したものです。レコードタイプ単体では画面は変わりません。レコードタイプごとに別のページレイアウトを割り当てて、初めて「種類ごとに違う入力画面」になります。ページレイアウトの割り当ては「プロファイル × レコードタイプ」の組み合わせで決まります。
設問の状況を分解する
- 記録したいのはマーケティング施策 → キャンペーンオブジェクトを使う。
- メール・展示会・ウェビナーという3つの種類を区別して管理したい。
- さらに、種類ごとに記録する情報が違う(=入力画面を分けたい)。 ポイントは3の要件です。「種類を区別したいだけ」なら選択リスト項目1つでも足ります。しかし「種類ごとに違う情報を記録する」=入力画面そのものを出し分けたい、と言われた時点で、レコードタイプ+ページレイアウトの組み合わせが必要になります。 初学者が誤解しがちなのは、「種類を表すカスタム項目を作れば分類できるからそれで十分」と考えてしまう点です。項目を1つ足しても、展示会用の項目とウェビナー用の項目が全ユーザーの画面に同時に並んだままで、入力者は自分に関係のない空欄を大量に見ることになります。
選択肢の検討
A. 関連する項目を含むカスタムレポートタイプを作成する → ✕
カスタムレポートタイプは「レポートを作るときに、どのオブジェクトのどの項目を使えるか」を定義する設定です。レポートの土台であって、データの入力画面には一切影響しません。これが正解になるのは「キャンペーンとキャンペーンメンバーを組み合わせたレポートを作りたいが、標準レポートタイプに必要な項目がない」といった、集計側の要件のときです。
B. 取り組みの種類を表すカスタム項目をキャンペーンオブジェクトに作成する → △(惜しいが不正解)
種類の「分類」はできるので、要件の半分は満たします。しかも実はキャンペーンには標準で「種別」項目が存在するため、わざわざ作る必要すらありません。決定的に足りないのは「種類ごとに異なる情報を記録する」部分です。項目を1つ追加しても、画面に出る項目セットは全種類で同じままです。正解との判別基準は「入力画面を出し分ける必要があるか」。必要ならレコードタイプ、分類だけでよいなら選択リスト項目です。
C. キャンペーンの種類ごとにレコードタイプとページレイアウトを作成する → ⭕ 正解
メール・展示会・ウェビナーの3つのレコードタイプを作り、それぞれに専用のページレイアウトを割り当てます。これで、
- 新規作成時に「どの種類のキャンペーンか」を選ばせられる
- 選んだ種類に応じて、その種類でしか使わない項目だけが表示される
- 種類ごとに選択リストの値も絞り込める
- レコードタイプ項目でレポート・リストビューを分類できる という要件をすべて満たせます。
D. キャンペーン階層を使ってキャンペーンの種類を整理する → ✕
キャンペーン階層は、親キャンペーンに子キャンペーンをぶら下げて成果を合算して見るための機能です(例:「2026年春プロモーション」の下にメール施策と展示会をぶら下げ、全体の投資対効果を見る)。階層はあくまで親子の集計構造であり、入力項目を出し分ける機能ではありません。これが正解になるのは「複数施策をまとめた全体キャンペーンの成果を合計で見たい」という要件のときです。
管理者としての対処手順
- [設定]→[オブジェクトマネージャ]→[キャンペーン]→[ページレイアウト]で、「メール用」「展示会用」「ウェビナー用」の3つのページレイアウトを作成する。
- 各レイアウトに、その種類で必要な項目だけを配置する(先に必要なカスタム項目を作成しておく)。
- 同じオブジェクトマネージャの[レコードタイプ]→[新規]で、「メール」「展示会」「ウェビナー」の3つのレコードタイプを作成する。
- 作成画面の「使用可能」列で、マーケティング担当のプロファイルにチェックを入れる。
- [プロファイル別にレイアウトを適用]を選び、レコードタイプごとに対応するページレイアウトを割り当てる。
- 各レコードタイプの編集画面で、選択リスト項目の使用可能な値を種類に合わせて絞り込む。
- マーケティング担当ユーザーで新規キャンペーンを作成し、レコードタイプ選択画面と画面の出し分けを実際に確認する。
| 要件 | 使う機能 |
|---|---|
| 施策の種類を分類したいだけ | 選択リスト項目(標準の「種別」) |
| 種類ごとに入力画面を変えたい | レコードタイプ+ページレイアウト |
| 複数施策の成果を合算したい | キャンペーン階層 |
| 施策データを集計・分析したい | レポート/カスタムレポートタイプ |
あわせて覚えておきたいポイント
- レコードタイプは作っただけでは使えません。プロファイル(または権限セット)への割り当てと、ページレイアウトの割り当てがセットで必要です。
- レコードタイプは表示の出し分けであって、セキュリティ機能ではありません。レコードの閲覧範囲を分けたい場合は共有設定(組織の共有設定・ロール階層・共有ルール)を使います。
- キャンペーンには「キャンペーンメンバー」という別オブジェクトがあり、メンバー側にも独自のページレイアウトを持たせられます。対象者ごとに記録したい情報がある場合はこちらを使います。
- 「種類ごとに違うステージ/ステータスの流れを使いたい」という要件になった場合、商談なら販売プロセス、ケースならサポートプロセスをレコードタイプに紐づけます。キャンペーンにはこの仕組みはなく、選択リスト値の絞り込みで対応します。
出典(Salesforce公式)
- Create Record Types(Trailhead) — 「レコードタイプは、ユーザーがアクセスできるビジネスプロセス、ページレイアウト、選択リスト値を決定する」と明記されており、種類ごとに画面と選択肢を出し分ける機能であることの根拠。
- Create Record Types(Trailhead) — レコードタイプ作成時に「使用可能」列でプロファイルを選び、ページレイアウトを割り当てる操作が案内されており、割り当てまでがセットであることの根拠。
- Tailor Business Processes to Different Record Types Users(Salesforce Help) — レコードタイプがユーザーごとに異なる業務プロセス・選択リスト値・ページレイアウトを提供する仕組みであることの根拠。