Administrator 練習問題 Q292
Cloud Kicks のプラットフォーム管理者が新しいユーザを設定しようとしていますが、ユーザレコードを保存するときにユーザ名の重複エラーが返されます。このエラーの原因は何ですか?
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正答:C. ユーザ名は、すべての Salesforce 組織を通して一意である必要がある
解説
前提知識
ユーザ名とメールアドレスは別のもの
Salesforceのユーザレコードには、似ているけれど役割が全く違う2つの項目があります。
- ユーザ名(Username):ログインにIDとして使う文字列。形式はメールアドレス風(xxxx@xxx.com)である必要があるが、実在するメールアドレスである必要はない
- メールアドレス(Email):パスワードリセットや通知を受け取るための、有効なメールアドレス 両者は同じ値にしても良いですが、同じである必要はありません。
一意性の範囲が決定的な違い
ここがこの問題の核です。
- ユーザ名:組織内だけでなく、同じ環境区分にあるSalesforce組織を通して一意でなければならない
- メールアドレス:複数の組織で同じものを使用できる Salesforce公式の厳密な説明では、ユーザ名の一意性は本番組織群とSandbox組織群で別々に管理されます。同じユーザ名を、本番側で1回、Sandbox側で1回使用することは可能です。したがって、自社組織に存在しないユーザ名でも、同じ環境区分の別組織ですでに使われていれば重複エラーになります。
自分の組織内でも見えない重複がある
自分の組織の中を探す場合でも、見落としがあります。
- 無効化されたユーザのユーザ名も使用中扱いです。退職者を無効化しただけでは、そのユーザ名は解放されません
- 本番組織群と Sandbox 組織群は一意性の判定範囲が分かれているため、同じユーザ名を本番側と Sandbox 側でそれぞれ1回ずつ使用できます
設問の状況を分解する
- 管理者が新規ユーザを作成しようとしている
- 保存時に「ユーザ名がすでに登録されています(Duplicate Username)」エラーが返る
- つまり、入力したユーザ名がすでにどこかで使われている 初学者が誤解しがちなのは、「自社のユーザ一覧にそのユーザ名がないのだから重複するはずがない」と考えてしまう点です。ユーザ名の一意性は組織を越えて判定されます。ただし、現在の公式情報では本番組織群と Sandbox 組織群は別の一意性範囲です。
選択肢の検討
A. ユーザ名がメールアドレス形式で設定されていない → ✕
ユーザ名がメールアドレス形式である必要があるのは事実ですが、その場合に出るのは形式不正のエラーであり、「重複」エラーではありません。エラー文を読み分けることが判別基準です。
B. メールアドレスとユーザ名の両方が、すべての Salesforce 組織で一意である必要がある → ✕
メールアドレスには組織横断の一意性要件がありません。同じメールアドレスを複数のSalesforce組織で使用できます。また、ユーザ名についても本番組織群と Sandbox 組織群は別の一意性範囲です。メールアドレスまで一意とするこの選択肢は不正解です。
C. ユーザ名は、すべての Salesforce 組織を通して一意である必要がある → ⭕ 本問の想定正解
ユーザ名は組織内だけでなく、同じ環境区分にあるSalesforce組織を通して一意である必要があります。そのため、自社組織に同じユーザ名が見当たらなくても、別組織で使用済みなら重複エラーになります。ただし、選択肢の「すべてのSalesforce組織」という表現は厳密ではありません。現在の公式情報では、本番組織群と Sandbox 組織群は別の一意性範囲で、同じユーザ名を本番と Sandbox に1つずつ持つことができます。選択肢中では C が最も妥当ですが、設問文にはこの例外が欠けています。
D. ユーザ名に制限されたドメイン名が含まれている → ✕
ユーザ名に使えないドメインのブラックリストを原因とする重複エラーはありません。ユーザ名のドメイン部分は存在しないドメインでも構いません。
管理者としての対処手順
- まず自社の組織を確認する。[設定]→[ユーザ]で、ビューを[すべてのユーザ]にして無効ユーザも含めて検索する
- 同じユーザ名の無効ユーザがあれば、そのユーザ名を別の値に変更して解放する
- 自社に見当たらない場合は、同じ環境区分の別組織で使われている可能性を考え、別のユーザ名を付ける
- 実務では、組織や環境を識別できる接尾辞を付ける(例:
taro.sato@cloudkicks.com.prod、Sandboxならtaro.sato@cloudkicks.com.full) - ユーザに届くメールは[メール]項目で制御されるので、ユーザ名を変えても通知は届く
| 項目 | 形式の要件 | 一意性の範囲 | 実在する必要 |
|---|---|---|---|
| ユーザ名 | メールアドレス形式必須 | 本番組織群または Sandbox 組織群ごと | 不要 |
| メールアドレス | メールアドレス形式必須 | 一意でなくても良い | 必要 |
あわせて覚えておきたいポイント
- ユーザ名の変更には「ユーザの管理」権限が必要です。Salesforceサポート側でユーザ名を変更することはできません。
- メールアドレスを変更すると確認メールが送られ、確定まで旧アドレスが表示されます。ユーザ名の変更は確認メールなしで即時反映です。
- ユーザは削除できないため、退職者のユーザ名を再利用したい場合は、無効化と合わせてユーザ名をリネームするのが定石です。
出典(Salesforce公式)
- Usernames and Passwords — ユーザ名がメールアドレス形式であること、実在するメールアドレスである必要はないこと、メールアドレスは複数組織で同じでもよいこと、本番組織群と Sandbox 組織群で一意性範囲が分かれることを裏付ける
- Salesforce Error “Duplicate Username” When Creating a Username — 重複エラーの原因、ユーザ名とメールアドレスの違い、本番と Sandbox で同じユーザ名を使用できる条件を裏付ける
- Update a Salesforce Username — ユーザ名が一意である必要があり、メールアドレスと同じである必要はないことを裏付ける