Administrator 練習問題 Q198
DreamHouse Realtyのユーザーは、自分が所有する商談のみを閲覧できます。経営陣は、パイプラインにあるすべての未完了の商談を全社規模で表示するダッシュボードを作成し、ユーザーがいつでも会社の業績状況を把握できるようにしたいと考えています。プラットフォーム管理者は、共有設定を変更せずにダッシュボードを作成するにはどうすればよいでしょうか?
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正答:A. 実行ユーザーをすべての商談を参照できるユーザーに設定してダッシュボードを作成します。
解説
前提知識
共有設定(OWD)とは
オブジェクトごとに「このデータを基本どこまで見せるか」を決める土台の設定です。本問のように「自分が所有する商談しか見えない」状態は、商談のOWDが「非公開」になっているということです。ここを緩めると、ダッシュボードだけでなくリストビューも検索もレポートも全部見えるようになります。影響範囲が大きいので、問題文は「共有設定を変えずに」と釘を刺しています。
ダッシュボードの実行ユーザーとは
ダッシュボードは裏側でレポートを走らせて集計します。そのとき「誰の権限で走らせるか」を指定するのが実行ユーザーです。Salesforce公式は「ダッシュボードは、そのダッシュボードの実行ユーザーがアクセスできるデータのみを表示する」と定めています。 つまり、実行ユーザーに全商談を見られる人を指定すれば、自分の商談しか見えない営業担当が開いても、そのダッシュボードの中だけは全社の数字が見えます。共有設定は1ミリも変わりません。これが本問の狙いです。
💡 実行ユーザーの仕組みがまだモヤッとする方へ。設定パターンと落とし穴を一から整理した記事を用意しています→ ダッシュボードの実行ユーザー:誰の目線でデータが見えるのかを決める仕組み
フォルダー共有との違い
ダッシュボードのフォルダー共有が決めるのは「そのダッシュボードを開けるか」だけです。中に出る数字を決めるのは実行ユーザーです。この二つは別のレイヤーだと覚えてください。
設問の状況を分解する
- 現状、ユーザーは自分の商談しか見えない(OWDが非公開)
- 経営陣は、全社の未完了商談を全員に見せたい
- ただし共有設定は変えてはいけない 要求は「全員が同じ、広い数字を見る」です。前問(ID 54)の「ユーザーごとに違うビュー」とは真逆の要件です。ここを取り違えると、同じ知識を持っていても選択肢を間違えます。
選択肢の検討
A. 実行ユーザーをすべての商談を参照できるユーザーに設定してダッシュボードを作成します。 → ⭕ 正解
実行ユーザーを全商談参照可能な人物に固定すれば、閲覧者の権限に関係なく全社のパイプラインが表示されます。共有設定は一切変えていないので、ダッシュボードの外では従来どおり自分のレコードしか見えません。要件をちょうど満たします。
B. ダッシュボードにフィルターを追加して、所有者の役割別に商談をフィルターします。 → ✕
フィルターは、すでに見えているデータを絞る道具です。実行ユーザーの権限を拡張する力はありません。自分の商談しか見えない状態でフィルターをいじっても、見えないものは見えません。「全社の数字は見えているが、部門別に切り替えて見たい」ならこれが正解です。
C. 企業全体の結果を確認する必要があるプロファイルごとに個別のダッシュボードを構築します。 → ✕
ダッシュボードを何枚作っても、実行ユーザーを直さなければ見える範囲は変わりません。プロファイルは「何をできるか」を決める設定であって、「どのレコードを見られるか」を直接決めるものではありません(レコードの見え方は共有設定側の話)。保守も増えるだけです。
D. 営業担当者のロールのダッシュボードフォルダー設定をマネージャーに更新します。 → ✕
フォルダーの共有設定をいじっても、変わるのは「そのダッシュボードを開けるか」だけです。中身の数字は実行ユーザーで決まるので、営業担当には相変わらず自分の数字しか見えません。「そもそもダッシュボードにたどり着けない」ならこれが正解です。
管理者としての対処手順
- 全商談を参照できるユーザー(例:商談の「すべて参照」権限を持つユーザー)を決める
- ダッシュボードを開き、[編集]→[ダッシュボードのプロパティ]を開く
- 表示方法を[別のユーザー]にし、1.のユーザーを指定する
- ダッシュボードを置くフォルダーを、見せてよいユーザーに参照共有する
- 一般ユーザーでログインし、全社の数字が見えること、かつ商談タブでは従来どおりであることを確認する
あわせて覚えておきたいポイント
| 要件 | 正解 |
|---|---|
| 全員に同じ(広い)数字を見せる | 実行ユーザーを固定する |
| 人ごとに違う数字を見せる | 動的ダッシュボード |
| 見えるデータの切り口を変える | ダッシュボードフィルター |
| ダッシュボードにたどり着けるようにする | フォルダー共有 |
実行ユーザーは共有設定を跨いでデータを見せられる強力な仕組みです。だからこそ、機密性の高いダッシュボードはフォルダー共有で閲覧者を絞ることが必須です。
設問データの補正
選択肢Aの「すべての機会を表示できるユーザー」は、Opportunity を「機会」と訳した機械翻訳の誤りなので、Salesforceの訳語に合わせて「すべての商談を参照できるユーザー」に修正しました。意味内容は変えていません。
出典(Salesforce公式)
- Dashboards(help.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.rd_dashboards_overview.htm) — 「ダッシュボードは、そのダッシュボードの実行ユーザーがアクセスできるデータのみを表示する」(本問の決定的根拠)
- Configure Dashboard Data Visibility in Lightning Experience(help.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.dashboards_view_as.htm) — 実行ユーザーを「別のユーザー」に固定できる設定手順の根拠
- Dynamic Dashboards(help.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.dashboards_dynamic_overview.htm) — 「動的ダッシュボードは、各ユーザーがアクセス権を持つデータのみを表示する」(本問では不適切であることの根拠)
- Sharing and Record Access Features(help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.security_sharing_overview.htm) — 組織の共有設定が各オブジェクトのアクセスのベースラインを決めることの根拠