Administrator 練習問題 Q161
営業マネージャーは、複数のダッシュボードを含むダッシュボードフォルダへのURLを受け取りました。しかし、営業マネージャーがそのURLをクリックすると、「アクセスしようとしたレコードが見つかりません」というメッセージが表示されます。これはなぜでしょうか?
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正答:D. ダッシュボード フォルダーへの表示アクセス権が付与されていません。
解説
前提知識
ダッシュボードとは
売上や案件数などの数字を、グラフ・表・メーターといった「コンポーネント(部品)」で並べて見せる画面です。表示されるデータの元になっているのは必ずレポート(条件を指定してレコードを一覧・集計したもの)です。
フォルダーとは
レポートとダッシュボードは、必ずどこかのフォルダーの中に保存されます。PCのファイルとフォルダーと同じイメージです。ここが最重要ポイントですが、Salesforce では
📌 「誰がそのレポート/ダッシュボードを見られるか」は、1つ1つのダッシュボードではなく、それが入っているフォルダー単位で決まります。 つまり、ダッシュボード単体に対して「この人に見せる」という設定は存在せず、フォルダーに対して共有設定を行うのがSalesforceのルールです。初学者が最初につまずくポイントです。
設問の状況を分解する
- 誰か(作成者)が、複数のダッシュボードをまとめたフォルダーを持っている
- その人が営業マネージャーに URLをコピペして送った
- 営業マネージャーがクリック → 「アクセスしようとしたレコードが見つかりません」 ここで理解すべきは、URLを知っていること ≠ アクセスできること という点です。SalesforceはURLを踏んだ瞬間に「このログインユーザーは、このレコードを見る権限があるか?」をサーバー側で判定します。権限がなければ「見つかりません」または「権限が不足しています」と返されます。 レコードの存在自体を隠すため、権限がない場合にあえて「見つかりません」と表示する仕様です。そのため「URLが壊れている」「削除された」と誤解しがちですが、実際は権限の問題であることが非常に多いのです。
選択肢の検討
A. 営業マネージャーに適切な権限が設定されていません → △(惜しいが不正解)
広い意味では、フォルダーへのアクセス不足も「権限不足」です。ただしSalesforceでは、ダッシュボードを利用するためのユーザー権限と、特定のフォルダーを開くためのフォルダー共有アクセスを分けて考えます。 Aは原因の層を特定していません。本問の症状に直接対応するのは、対象フォルダーへの表示アクセスがないと明示しているDです。
B. 営業マネージャーには正しい営業ユーザープロファイルが必要です → ✕
プロファイルや権限セットは、レポートやダッシュボード機能を利用できるかを制御します。しかし、特定のフォルダーに保存されたダッシュボードを開けるかは、そのフォルダーの共有アクセスでも決まります。 「営業ユーザープロファイル」という特定のプロファイルへ変更する必要はなく、Dのフォルダーアクセスを確認するのが直接的な対処です。
C. ダッシュボードフォルダーはプライベートに設定されています → △(惜しいが不正解)
フォルダーが非公開であれば、他のユーザーが開けない原因になります。ただし設問には、対象フォルダーが非公開であるとは書かれていません。 Cはあり得る具体例の一つですが、共有フォルダーであっても営業マネージャーに閲覧者アクセスが付与されていなければ同じ症状になります。したがって、より一般的かつ直接的な原因を示すDを選びます。
D. ダッシュボードフォルダーへの表示アクセス権が付与されていません → ⭕ 正解
フォルダーの共有設定に営業マネージャーが追加されていないため、フォルダーの中身が一切見えず、URLを踏んでも「見つかりません」となります。症状と原因が完全に一致します。
管理者としての対処手順
- [レポート]/[ダッシュボード]タブを開く
- 対象のダッシュボードフォルダーを選ぶ
- メニューから [共有] をクリック
- 共有先(ユーザー/ロール/公開グループなど)を検索して追加
- アクセスレベルを選択する
- [共有]→[完了]
フォルダーのアクセスレベル(3段階)
| レベル | できること | 誰に付与するか |
|---|---|---|
| 閲覧者(Viewer) | フォルダー内のレポート/ダッシュボードを見る・実行する | 閲覧するだけの人。今回の営業マネージャーはこれでOK |
| 編集者(Editor) | 閲覧者+レポート/ダッシュボードの作成・編集・削除 | 自分でレポートを作る担当者 |
| 管理者(Manager) | 編集者+フォルダー自体の共有設定変更・名前変更・削除 | フォルダーの持ち主、システム管理者 |
共有先には 個別ユーザー/ロール/公開グループ などを指定できます。人事異動のたびに設定を直すのは大変なので、実務では「ロール」や「公開グループ」に対して共有するのが定石です。
あわせて覚えておきたいポイント
- フォルダーを共有しても、中のデータが全部見えるとは限りません。 フォルダー共有は「画面を開く権利」であり、そこに表示されるデータ行は、レコードの共有設定(組織の共有設定、ロール階層、共有ルール)と、ダッシュボードの**実行ユーザー(Running User)**の設定によって決まります。「ダッシュボードは開けたが数字が0だった」という場合はこちらが原因です。
- レポートフォルダーも同じ仕組みです。ダッシュボードは見えるのに数字が出ない場合、元になっているレポートのフォルダーにアクセス権がないケースもあります。
- 「アクセスしようとしたレコードが見つかりません」「権限が不足しています」は、ダッシュボードに限らず権限不足の定番メッセージです。この文言を見たら、まず「削除された?」ではなく「共有・権限は足りている?」を疑う癖をつけると、実務でも試験でも強いです。
出典(Salesforce公式)
- Learn About Reports and Dashboards(Trailhead) — 「レポートとダッシュボードはフォルダーに保存される。フォルダーへのアクセス権を与えれば、その中のレポート/ダッシュボードにアクセスできる」「ダッシュボードには実行ユーザーがおり、その権限設定が表示データを決める」
- Access Levels for Report and Dashboard Folders — 「各ユーザー・グループ・ロールは、レポート/ダッシュボードフォルダーごとに独自のアクセスレベルを持つ」
- Compare Access Levels for Report and Dashboard Folders — 参照者/編集者/管理者の権限比較
- Enhanced Folder Sharing for Reports and Dashboards
- Share a Lightning Report or Dashboard Folder