Administrator 練習問題 Q90
エージェントの実行ループの中で、どのタスクでも満足のいく結果が得られなかった場合、エージェントが次に取るべきステップは何ですか?
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正答:C. 人間のサポート担当者(ライブエージェント)に引き継ぐ。
解説
前提知識
Agentforce のエージェントとは
Agentforce のエージェントは、人間の代わりに対話して、実際に作業まで行なうAIです。従来のチャットボットのように「この言葉が来たらこの返事」という台本ではなく、目的を渡されて自分で手順を組み立てます。
エージェントの「ループ」とは
エージェントの頭脳に当たるのが Atlas 推論エンジンです。これはだいたい以下のようなループを回します。
- ユーザーの要求を受け取る
- 今の要求に合う**トピック(担当領域)**を選ぶ
- そのトピックに紐づいた**アクション(タスク)**を実行する
- 結果を評価して、目的が遂げられたか判定する
- 遂げられていなければ、別の手を試す
📌 この問題が問っているのは、ループを回し切っても、どの手もダメだったときの出口です。答えは人間へのエスカレーションです。
なぜ「人間に渡す」が設計に組み込まれているのか
AI には必ず「できないこと」があるという前提に立っているからです。 公式は、従来型のチャットボットとの違いをこう説明しています。「ループにはまってしまう古いチャットボットとは違い、これらのAIエージェントは文脈と自然言語を理解し、必要なときには人間の担当者にエスカレーションする」。 つまり、「人間に渡す」はエージェントの失敗ではなく、正式な機能の一つです。管理者側でも、オムニチャネルフローを使って引き継ぎ先を設定できます。
設問の状況を分解する
ポイントは「すべて不満足」という言葉です。
- エージェントはすでに手を尽くしている
- しかもどの結果も基準を満たしていない この状態でさらに自分で粘るのは、顧客を待たせるだけです。だから人間にバトンを渡すというのが答えになります。
選択肢の検討
A. 注意事項付きで可能な限り最善の回答を提供する → ✕
一見誠実そうに見えますが、基準を満たしていない結果をそれでも返すということは、途中半端な回答を顧客に渡すということです。 これは Agentforce が最も避けたい挙動です。**不正確な回答を自信を持って返す(いわゆるハルシネーション)**ことを防ぐためのガードレールを、Salesforce は何重にも掛けています。
B. エラーメッセージを表示する → ✕
タスクの結果が不十分だったことは、システム障害ではありません。エラーではないものをエラーとして表示しても、顧客の問題は何も解決しません。対話をそこで死なせるのは最悪の展開です。
C. 人間のサポート担当者に引き継ぐ → ⭕ 正解
エージェントが自力で解決できないと判断したときの、設計された逃げ道です。 公式のエージェント向け指示例にも、はっきりこう書かれています。「顧客の質問に答えられない場合は、ライブエージェントに転送したいか尋ねる」。 人間に渡るときには、それまでの会話の文脈も一緒に引き継がれます。顧客が同じ話を一から話さなくて済むようになっています。
D. 追加の情報を要求する → △(惜しいが不正解)
これも Agentforce の正式な挙動です。ただし、発動する場面が違います。
| 状況 | エージェントの挙動 |
|---|---|
| 要求が曖昧で、何をすればよいか絞れない | 追加の情報を尋ねる(D) |
| やることは分かっていて、試したが全部ダメだった | 人間にエスカレーション(C) |
本問は後者です。すでにタスクを実行し尽くした上で全部不十分だったのだから、質問を重ねても同じ壁に当たることになります。
💡 AI系の問題では、「もう何も手がないのか」「まだ情報不足なのか」を見分けるのが分かれ目です。問題文の「すべて」「尽くした」といった語を見逃さないでください。
管理者としての対処手順
エスカレーションは自動でうまくいくものではなく、管理者が仕込んでおくものです。
- エージェントにエスカレーション用のトピックを持たせる
- そのトピックの指示に、「解決できない場合、顧客にライブエージェントへの転送を提案する」と明記する
- オムニチャネルフローを作成し、どのキュー・担当者に振るかを定義する
- 引き継ぎ時にケースを作成・更新するアクションを組み込み、履歴を残す
- テストで、解決できない質問をあえて投げて意図したとおりに人間に渡るか検証する
⚠️ エスカレーション先を仕込んでいないと、エージェントは行き場を失います。キューや営業時間の設定まで含めて一セットで設計してください。
あわせて覚えておきたいポイント
- エージェントに何をやらせるかは、**トピック(担当領域)とアクション(実行できる処理)**の組み合わせで管理者が定義します。
- Agentforce は、管理者が指定したユースケースとガードレールの中でだけ自律的に動きます。箱の外には出ません。
- 顧客が自分から「人と話したい」と言った場合も、即エスカレーションです。これも公式の推奨する挙動です。
出典(Salesforce公式)
- Explore Use Cases for Agentforce for Service(Trailhead) — 決定的根拠:「顧客の質問に答えられない場合は、ライブエージェントに転送したいか尋ねる」「顧客がいつでもライブエージェントと話したいと言ったら、会話をエスカレーションする」
- Resolve Cases Faster(Trailhead) — 「ループにはまってしまう古いチャットボットとは違い、これらのAIエージェントは文脈と自然言語を理解し、必要なときには人間の担当者にエスカレーションする」
- Configure the Human Rep Escalation Experience — 「人間へのエスカレーション体験を設定することで、Agentforce エージェントが問い合わせを解決できないときに、エンドユーザーや顧客が人間の担当者に到達できるようになる」
- Transfer Conversations from an Agent with an Omni-Channel Flow — オムニチャネルフローによってエージェントから会話を転送できること
- Meet the Reasoning Engine(Trailhead) — 推誶エンジンが、要求の受け取り→サブエージェントの選択→指示の解決→行動という流れで動くこと
- The Building Blocks of Agents — 「Agentforce のエージェントは、指定されたユースケースとガードレールの範囲内で、自律的に行動の機会を見つけ、次のステップを予測し、タスクを開始する」