Administrator 練習問題 Q55
ユニバーサルコンテナのプラットフォーム管理者は、不正な侵入者が組織に侵入するリスクを最小限に抑えるため、ユーザーのログインアクセスを特定の時間帯と特定のIPアドレスに制限するよう依頼されています。これを実現するには、管理者はどの設定を変更する必要がありますか?
左の○で回答を選択。本文を押すと横線で除外でき、もう一度押すと戻せます。
1つ選択してください(0/1)
正答:C. ユーザーのプロファイル
解説
前提知識
プロファイルとは
ユーザー1人1人に必ず1つ割り当てる、基本的な権限の土台です。「この人はどのオブジェクトを作成・参照・編集・削除できるか」だけでなく、「いつ、どこからログインできるか」というセキュリティ設定もプロファイルが持っています。ここが本問の核心です。 プロファイルが持つログイン関連の設定は主に2つです。
- ログイン時間帯の制限: 曜日ごとに、何時から何時までログインを許すかを指定する
- ログインIPアドレスの制限: 許可するIPアドレスの範囲を登録する
ロール(ロール階層)との違い
初学者が一番混乱するのがここです。役割を一言で分けると次のとおりです。
| 仕組み | 決めること |
|---|---|
| プロファイル | 何ができるか(オブジェクト権限、項目レベルセキュリティ、システム権限、ログイン時間帯とIP制限) |
| ロール | 誰のレコードを見られるか(上司は部下のレコードを見られる、というデータの見え方) |
| 権限セット | プロファイルの上に追加で権限を与える(引き算はできない) |
ロールはあくまでデータの見える範囲の話であって、ログインの可否には一切関与しません。
設問の状況を分解する
要求を分解すると、制約は2つです。
- ログインできる時間帯を限定したい
- ログインできるIPアドレスを限定したい この2つを同じ場所でまとめて設定できるのは、プロファイルだけです。選択肢を見るときは、「両方の要求を一つで満たせるのはどれか」という目で絞り込んでください。 なお、IP制限には組織全体にかける「信頼できるIP範囲」([設定]→[ネットワークアクセス])と、プロファイル単位の「ログインIPアドレスの制限」の2種類があります。前者は範囲外からのログインに確認コードを求めるだけですが、後者は範囲外からのログインを完全に拒否します。「不正侵入者のリスクを最小限にする」という今回の目的には、プロファイル側の制限が合致します。
選択肢の検討
A. 会社設定 → ✕
[会社情報]や会社単位の設定で扱うのは、組織名、デフォルトのタイムゾーンや通貨、ロケール、ライセンス保有状況です。ユーザー別のログイン可能時間をここで決めることはできません。
B. ユーザーのロール → ✕
ロールはレコードの可視性(上司が部下のデータを見られるか)を決める仕組みです。ロールの設定画面には、ログイン時間帯もIP範囲も存在しません。 これが正解になるのは、問題が「部下の商談を上司に見せたい」などの可視性を聞いている場合です。
C. ユーザーのプロファイル → ⭕ 正解
Salesforce公式は、ログインIPアドレスの制限について「[設定]から[プロファイル]を検索して選択し、このプロファイルのIPアドレスを制限するには許可されるIP範囲を追加する」と手順を示しています。またログイン時間帯についても、公式のTrailheadが「プロファイルごとにユーザーがログインできる時間帯を指定できる」と明記しています。 つまり、今回の2つの要求はどちらもプロファイルの設定画面で完結します。
D. カスタム権限セット → ✕
権限セットは、プロファイルに権限を足すための仕組みです。足し算専用であり、ログイン時間帯やIPアドレスのような「制限をかける」設定は持ちません。「使える範囲を狭めたい」ときに権限セットを選ぶのは、試験でも実務でも典型的な誤りです。
管理者としての対処手順
ログイン時間帯の制限
- [設定]のクイック検索で[プロファイル]を選択する。
- 対象のプロファイルを開く。
- [ログイン時間帯の制限]で[編集]をクリックする。
- 曜日ごとに開始時刻と終了時刻を設定して保存する。特定の曜日を丸ごと禁止したい場合は、開始時刻と終了時刻に同じ値を設定する。 ログインIPアドレスの制限
- 同じプロファイルの詳細画面で[ログインIPアドレスの制限]を開く。
- [新規]で、許可するIPの開始アドレスと終了アドレスを登録する。
- 保存する。 実務上の注意点として、自分自身のプロファイルに厳しいIP制限をかけて、管理者がログインできなくなる事故が頻発します。先にサンドボックスで検証し、システム管理者プロファイルには慎重に適用してください。
あわせて覚えておきたいポイント
IP制限には2種類あり、効果が全く違います。違いを押さえておきましょう。
| 設定場所 | 名前 | 範囲外からログインしたとき |
|---|---|---|
| [設定]→[ネットワークアクセス] | 信頼できるIP範囲(組織全体) | ログインはできるが、確認コードの入力を求められる |
| プロファイルの[ログインIPアドレスの制限] | ログインIP制限(プロファイル単位) | ログイン自体が拒否される |
ログイン時間帯は、プロファイルで最初に設定した時点の組織のデフォルトタイムゾーンを基準に保存されます。その後に組織のデフォルトタイムゾーンを変更しても既存のプロファイル設定は自動では変わらず、ユーザーが別のタイムゾーンにいても時間帯は変換されません。海外拠点で使う場合は、基準時刻を確認してプロファイルごとに設定してください。 なお、セッション中にログイン許可時間を過ぎた場合、ユーザーは引き続き現在の画面を見られますが、新しいデータを要求する操作(レコードの保存やタブの移動)はできなくなります。
出典(Salesforce公式)
- プロファイルでのログイン IP アドレスの制限 — 「[設定]から[プロファイル]を検索して選択し、対象のプロファイルの[ログイン IP アドレスの制限]で許可される IP 範囲を追加する」(IP制限がプロファイル単位であることの根拠)
- 組織へのアクセスの制御(Trailhead) — 「プロファイルごとに、ユーザーがログインできる時間帯を指定できる」「プロファイルの詳細ページで[ログイン時間帯の制限]の[編集]をクリックする」(ログイン時間帯がプロファイル単位であることの根拠)
- プロファイルのログイン時間帯の参照と編集 — 初回設定時は会社情報の組織デフォルトタイムゾーンを基準にし、その後の組織タイムゾーン変更やユーザー所在地では自動変更されない
- プロファイル — プロファイルがオブジェクト権限・項目権限に加えてログイン関連の制限を保持することの根拠
- 信頼できる IP 範囲の設定 — 組織全体の信頼できるIP範囲と、プロファイル単位のログインIP制限が別の仕組みであることの根拠