Administrator 練習問題 Q112
Cloud Kicksのセールスマネージャーは、従業員の休暇を承認します。彼らは管理者に、営業マネージャーが休暇中にこれらの要求がバックアップマネージャーによって表示され、応答されることを確認するように依頼しました。管理者は要件を満たすために何を使用する必要がありますか?
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正答:A. 委任された承認者
解説
前提知識
承認プロセスとは
「このレコードを先に進めていいか、人間に判断してもらう」をSalesforce上で仕組み化した機能です。管理者は、どのレコードが対象になるか(エントリ基準)、誰に判断を回すか(承認者)、承認・却下されたら何が起きるか(アクション)を定義します。 休暇申請のようなワークフローでは、申請レコードが作成されると、指定された承認者に承認依頼メールと承認待ちの作業項目が届きます。
💡 ここがまだモヤッとする方へ。承認プロセスの全体像を一から整理した記事があります → 承認プロセスとは何か:「上司の承認をもらう」を仕組み化する
委任された承認者(Delegated Approver)とは
ユーザーレコードに設定する項目で、「自分の代わりに承認していい人」を1人指定するものです。ユーザー詳細画面の[承認者の設定]セクションにある[委任された承認者]に、代理を任せる相手を入れます。 承認プロセス側の承認ステップで[承認者の代理も、この申請を承認できる]というオプションをオンにしておくと、本来の承認者が不在でも、その代理人が承認・却下できるようになります。公式ヘルプも「指定された承認者とその代理人は、承認対象レコードへのリンクが記載されたメールを受け取る」と説明しています。
委任管理者(Delegated Administrator)とは
名前が似ていますが、まったく別の機能です。こちらはシステム管理者権限を渡さずに、ユーザーの作成・編集やプロファイル・権限セットの割り当てといった管理作業だけを任せる仕組みです。承認とは一切関係ありません。
設問の状況を分解する
起きていることを時系列で並べます。
- 従業員が休暇を申請する
- 通常はセールスマネージャーが承認する
- しかしセールスマネージャー自身も休暇に入ることがある
- その間、申請が承認待ちのまま止まってしまう
- 不在時はバックアップマネージャーが申請を見て、応答できるようにしたい 注目すべきは「承認ルートを恒久的に変えたい」わけではない点です。通常の割り当て先はセールスマネージャーのまま、バックアップマネージャーにも同じ承認依頼へ応答する権限を与えます。これは「代理承認」の要件です。なお、Classic 承認プロセスの委任には休暇日を自動判定する期間設定はなく、委任された承認者が設定され、承認ステップで代理承認が許可されている間は、在席・不在にかかわらず代理人が承認または却下できます。 初学者が誤解しやすいのは、「承認者を増やす=承認ステップを増やす」と考えてしまうことです。ステップを増やすと、通常時も全員の承認が必要になってしまいます。今回は承認の回数を増やしたいのではなく、同じ1回の承認を、別の人ができるようにしたいのです。
選択肢の検討
A. 委任された承認者 → ⭕ 正解
ユーザーに代理承認者を設定し、承認ステップで代理承認を許可すれば、バックアップマネージャーが同じ承認依頼を承認・却下できます。承認依頼の直接の割り当て先は元のマネージャーのままです。ただし代理承認の許可は休暇期間だけに自動限定されないため、誰を委任先にするかと、設定をいつ解除するかは運用で管理します。
B. 2段階の承認プロセス → ✕
承認を2段階にすると、通常時も2人分の承認が必要になります。マネージャーが在席していても、もう1人が承認するまで申請が完了しません。要件は「不在時の代替」であって「承認の厳格化」ではないため誤りです。 これが正解になるのは、「一定金額以上の申請は、マネージャー承認の後に部門長承認も必要にしたい」といった、承認の階層を増やしたい場合です。
C. 承認履歴関連リスト → ✕
承認履歴は、そのレコードが誰にいつ承認申請され、誰がどう処理したかを後から見るための表示です。読むだけの機能なので、承認する権利を誰かに与えることはできません。 これが正解になるのは、「承認が今どこで止まっているか調べたい」「誰が却下したか確認したい」といったトラブルシューティングの設問です。
D. 委任された管理者 → ✕(惜しいが不正解)
「委任された」という言葉が共通しているため、日本語だけを見ると迷います。しかし委任管理者が任されるのは、ユーザーの作成・編集、指定されたプロファイルや権限セットの割り当て、指定カスタムオブジェクトの管理といった管理作業です。承認申請を処理する権限は含まれません。 判別基準はシンプルです。承認の話なら「委任された承認者」、ユーザー管理の話なら「委任管理者」。
管理者としての対処手順
- [設定]→ クイック検索に「ユーザー」と入力 →[ユーザー]を開く
- セールスマネージャーのユーザーレコードを開き、[編集]をクリックする
- [委任された承認者]にバックアップマネージャーを指定して保存する
- バックアップマネージャーが承認依頼メールを受け取る必要がある場合は、そのユーザーの承認者設定で[承認申請メールを受信]を「自分が承認者または委任された承認者の場合」に設定する
- [設定]→ クイック検索に「承認プロセス」と入力し、休暇申請の承認プロセスを開く
- 該当する承認ステップを編集し、[承認者の代理も、この申請を承認できる]にチェックを入れる
- テスト用レコードで、代理承認者がメール、レコードの承認履歴、または用意した承認待ちレコードの一覧から承認できることを確認する 承認ステップで代理承認を許可しなければ、委任された承認者を設定してもそのステップを処理できません。また、Classic 承認プロセスでは代理人の申請がホームの[承認待ちの項目]に表示されないため、メール設定または別の一覧導線も確認します。
あわせて覚えておきたいポイント
- 委任された承認者は、ユーザーごとに1人だけ指定します。チーム全体に回したい場合は、承認者にキューを指定する設計を検討します。
- 実務上の注意として、Salesforce公式ヘルプは「代理承認者は承認自体はできるが、ホームページの[承認待ちの項目]リストには対象レコードが表示されない(仕様)」と案内しています。代理承認者にはメールのリンクから処理してもらうか、承認待ちレコードのリストビューやレポートを別途用意しておくと安全です。
- 「委任」がつく機能は試験でよく混同されます。承認の委任=委任された承認者、管理業務の委任=委任管理者、と対で覚えてください。
出典(Salesforce公式)
- Classic Approval Processes User Preferences — [委任された承認者]は代替承認者であり、承認または却下はできるが再割り当てはできないこと、承認依頼メールの受信設定をユーザーが制御すること
- Identify Assigned Approvers for an Approval Step in a Classic Approval Process — 承認ステップで[承認者の代理も、この申請を承認できる]を有効にすると、ユーザーが指定した委任先も承認または却下できること
- Delegated Approver cannot see anything in the ‘Items to Approve’ list — 「承認プロセスで[承認者の代理も、この申請を承認できる]が有効な場合、代理承認者は承認を実行できる」「ただし[承認待ちの項目]リストには表示されない(仕様)」
- Set Up a Classic Approval Process — 承認プロセスの作成手順と、承認ステップで承認者や代理承認の可否を指定する設定箇所
- Approval Work Items and Orchestration Work Items — 「承認ステップは、ユーザー・グループ・キューに割り当てられる作業項目を作成し、承認者に自動でメール通知を送る」