Administrator 練習問題 Q298
Cloud Kicks は取引先オブジェクトで積み上げ集計項目を利用したいと考えています。この積み上げ集計を標準機能としてサポートしている標準オブジェクトはどれですか?
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正答:A. 商談
解説
前提知識
積み上げ集計項目とは
積み上げ集計項目(ロールアップサマリー項目)は、親レコードの画面に、子レコードの合計・件数・最小値・最大値を自動表示する項目です。たとえば「この取引先に紐づく商談の金額合計」を取引先レコード上に表示できます。数式項目が1レコード内の値を計算するのに対し、積み上げ集計項目は関連する複数レコードの値をまとめて計算する点が違います。 計算タイプは4つです。
| タイプ | 何をするか |
|---|---|
| COUNT | 関連レコードの件数を数える |
| SUM | 選択した項目の合計を出す |
| MIN | 選択した項目の最小値を出す |
| MAX | 選択した項目の最大値を出す |
主従関係(マスター・詳細関係)とは
主従関係は、親(主)レコードが子(従)レコードを支配する強い関連付けです。親を削除すると子も削除され、子は親のアクセス権を引き継ぎます。積み上げ集計項目は、この主従関係の「親側」にしか作成できません。参照関係(ルックアップ)でつないだだけのオブジェクト同士では、標準機能で積み上げ集計項目は作れません。
💡 積み上げ集計項目と主従関係の関係がまだモヤッとする方へ → ロールアップサマリーフィールドの前提条件:マスタ詳細関係が必要な理由
標準オブジェクトでサポートされる組み合わせ
ここが本問の核心です。積み上げ集計項目は原則として主従関係で使いますが、Salesforce Helpは標準でサポートする組み合わせとして、取引先で関連商談の値を集計できることを明記しています。これは取引先と商談の関係を一般的な主従関係だとみなすという意味ではなく、Salesforceがこの標準オブジェクトの組み合わせを積み上げ集計の対象として特別にサポートしている、という理解が正確です。Trailheadでも、取引先に商談金額の合計項目を作成する手順が案内されています。
設問の状況を分解する
- 集計項目を作りたい場所は「取引先オブジェクト」=親側。
- 問われているのは「取引先の子として集計できる標準オブジェクトはどれか」。
- 自分でカスタムオブジェクトを作って主従関係を張れば集計できるが、本問は標準機能でサポートされている標準オブジェクトを選ぶ問題。
- したがって「取引先の積み上げ集計項目で、標準の集計対象として選択できるオブジェクトはどれか」を考えればよい。 初学者が誤解しがちなのは、「関連リストに出ている=積み上げ集計できる」と考えてしまうことです。取引先の画面には取引先責任者もケースも関連リストとして並びますが、関連リストに表示されることと、積み上げ集計項目の集計対象として選べることは別問題です。
選択肢の検討
A. 商談 → ⭕ 正解
Salesforce Helpは、取引先に作成する積み上げ集計項目で関連商談の値を集計できることを、標準でサポートする組み合わせとして明記しています。「関連商談の金額合計」「進行中の商談件数」「最初に作成された商談の日付(MIN)」などを取引先上で算出できます。
B. 取引先責任者 → ✕
Salesforce Helpが示す標準サポート対象では、取引先で集計できる標準の関連オブジェクトは商談であり、取引先責任者は含まれていません。取引先の関連リストに表示されることだけでは、積み上げ集計の対象にはなりません。取引先責任者の件数が必要な場合は、レポートで集計するか、要件に応じてレコードトリガーフローなどで取引先側の数値項目を更新します。
C. ケース → ✕
ケースは取引先に関連付けられますが、取引先の標準積み上げ集計項目で選択できる集計対象には含まれていません。Salesforce Helpは、取引先に関連するケース数のように主従関係ではない関連を集計する代替例として、レコードトリガーフローで件数を取引先の数値項目へ書き込む方法を案内しています。
D. キャンペーン → ✕
キャンペーンは、取引先の積み上げ集計項目で選択する集計対象ではありません。なお、キャンペーン自体には別の標準サポートがあり、キャンペーンメンバーの状況やカスタム項目をキャンペーン側へ積み上げ集計できます。つまり「キャンペーンでも積み上げ集計を使える」ことはありますが、取引先でキャンペーンを集計する本問の関係には当てはまりません。
管理者としての対処手順
取引先に「商談金額の合計」を作る手順は次のとおりです。
- [設定]→[オブジェクトマネージャ]→[取引先]を開く。
- 左メニューの[項目とリレーション]→[新規]をクリック。
- データ型で[積み上げ集計]を選択して[次へ]。
- 項目の表示ラベルに「商談金額合計」などを入力して[次へ]。
- 集計対象オブジェクトで[商談]を選択。
- 積み上げ集計種別で[合計]、集計する項目で[金額]を選択。
- 検索条件が必要なら「特定のレコードのみ」で条件(例:フェーズ=Closed Won)を指定する。
- 項目レベルセキュリティとページレイアウトを設定して保存。
高度な通貨管理を有効化している組織では、通貨項目の積み上げ集計が使えなくなる場合があります。金額が集計項目の候補に出てこないときは、まず通貨設定を確認してください。
あわせて覚えておきたいポイント
- 積み上げ集計項目は作成後に集計対象オブジェクトを変更できません。設計段階で対象を決めきることが重要です。
- 現在日付やログインユーザーなど、実行のたびに値が変わる項目(TODAY、NOW など)は集計対象にできません。
- SUM は数値・通貨・パーセント項目のみ、MIN/MAX は数値・通貨・パーセント・日付・日付/時間項目が対象です。
- 商談オブジェクトの側では、商談商品を集計する積み上げ集計項目を作れます(商品合計金額、最低リスト価格など)。「親側に作る」という原則は同じです。
- 「主従関係がないのに集計したい」場合の実務的な代替手段は、レコードトリガーフローで親項目を更新する方法か、AppExchange の集計アプリの利用です。
出典(Salesforce公式)
- Roll-Up Summary Field(Salesforce Help) — 「標準で作成できる組み合わせとして、取引先で関連商談、商談で商談商品、キャンペーンでキャンペーンメンバーの状況またはカスタム項目を集計できる」と明記されている。選択肢Aが正しく、B・C・Dが取引先の集計対象ではないことの根拠。また、作成後の集計対象変更、使用可能な集計項目、高度な通貨管理、TODAY・NOWなどの制約も説明している。
- Implement Roll-Up Summary Fields(Trailhead) — 取引先オブジェクトで[積み上げ集計]項目を作成し、集計対象に商談、種別にSUM、集計項目に金額を選ぶ具体的な手順を案内している。
- Create Roll-Up Summary Fields Utilizing Salesforce Flow — 「主従関係ではない関連の集計にはレコードトリガーフローを利用できる」と説明し、取引先に関連するケース件数を数値項目へ書き込む例を示している。