Administrator 練習問題 Q272
Cloud Kicks の管理者は、過去 90 日間に成立した商談のファイルをエクスポートする必要があります。ファイルには、商談名、ID、完了日、金額が含まれている必要があります。管理者はこのファイルをどのようにエクスポートすればよいでしょうか?
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正答:D. データローダー
解説
前提知識
データローダーとは
Salesforceが提供するクライアントアプリケーションで、レコードの挿入・更新・削除・抽出に対応します。対象オブジェクト、出力項目、抽出条件をSOQLで指定し、結果をCSVファイルに出力できます。
データ エクスポート サービスとは
[設定]にある、組織のデータをまるごとCSVでバックアップする機能です。オブジェクト単位での選択はできますが、条件で行を絞ることや並び順の指定はできません。さらに実行の間隔に制限があり、週次は7日ごと、月次は29日ごとにしか実行できません。また、出力の準備ができるまで待つ必要があります。
データインポートウィザードとは
ブラウザ上でCSVファイルからレコードを取り込む(作成・更新する)ための機能です。名前のとおり向きは「インポート(取り込み)」だけで、データを取り出す用途には使えません。
開発者コンソールのクエリエディターとは
開発者コンソール(Developer Console)は、ブラウザ上で開く開発者向けの作業画面です。その中のクエリエディターに SOQL(Salesforceのデータを取り出すための問い合わせ言語)を書いて実行すると、結果が「クエリ結果グリッド」に1レコード=1行で表示されます。 ここで押さえるべきなのは、クエリ結果グリッドが提供するのは画面上での参照と、その場でのレコードの作成・更新・削除であり、結果をファイルに書き出す機能は公式に用意されていないという点です。抽出条件や項目を自分で指定できるという意味ではデータローダーと似ていますが、「ファイルを渡す」というゴールには到達しません。
設問の状況を分解する
- 管理者は、指定したデータをファイルとして取り出したい
- 必要なのは、対象項目や条件を自分で決められる柔軟な抽出手段
- ゴールは「見る」ことではなく、商談名・ID・完了日・金額を含んだファイルが手元に残ること 初学者が誤解しがちなのは、「エクスポートという言葉があるからデータ エクスポート サービスが正解」と考えてしまう点です。もう一つの落とし穴は、「SOQLを書けるなら何でもいい」と考えてしまう点です。条件を書けることと、ファイルが出力できることは別の能力です。
選択肢の検討
A. 開発者コンソールのクエリエディターでSOQLを実行する → △(惜しいが不正解)
一番惜しい選択肢です。SELECT Name, Id, CloseDate, Amount FROM Opportunity WHERE IsWon = TRUE AND CloseDate = LAST_N_DAYS:90 と書けば、欲しい項目と条件はそのまま再現できます。抽出の考え方としては正解(D)とまったく同じです。
それでも不正解なのは、設問が求めているのが「抽出結果を見ること」ではなくファイルを取り出すことだからです。公式ヘルプがクエリ結果グリッドについて説明しているのは、レコードを行として表示し、その場で作成・更新・削除ができるという範囲だけで、CSVなどのファイルに出力する機能は提供されていません。結局画面から手作業でコピーすることになるため、件数が多いと現実的に成立しません。
なお、開発者コンソールの利用には開発者向けの権限が必要で、日常のデータ抽出手段として想定された画面でもありません。「件数をさっと数えたい」「データの中身を目で確かめたい」だけなら、これで十分です。ファイルとして渡す要件が付いた瞬間に、データローダーに切り替えてください。
B. データ インポート ウィザード → ✕
データインポートウィザードはCSVからレコードを取り込む機能で、データを取り出す機能はありません。向きが逆なのでこの要件には使えません。「表計算ソフトで作ったリードを一括登録したい」要件ならこれが正解になります。
C. データ エクスポート サービス → ✕
名前に「エクスポート」が入っているため、最も引っかかる選択肢です。しかしこの機能は組織データのバックアップを作るもので、三つの点で本件に向きません。
- 選べるのはデータの種別(オブジェクト単位)で、「成立済みかつ完了日が過去90日以内」のような行の絞り込みができない
- 商談名・ID・完了日・金額の4項目だけに絞ることもできない
- 手動実行には週次で7日、月次で29日の間隔があり、前回から日が経っていなければそもそも実行できない 「万一のために組織全体のデータの控えを取っておきたい」要件なら、これが正解になります。
D. データローダー → ⭕ 正解
データローダーでは、商談から必要な項目を選び、成立済みかつ完了日が過去90日以内という条件を指定してCSVへ出力できます。条件の自由度と、ファイル出力の両方を満たすのはこの選択肢だけです。
管理者としての対処手順
- データローダーを起動し、[Export](削除済みも含めるなら[Export All])を選択する
- 本番組織またはSandboxを選んでログインし、対象オブジェクトを選択する
- 出力先のCSVファイルを指定する
Name、Id、CloseDate、Amountを選び、成立済みかつ完了日が過去90日以内になる条件を指定する。SOQLの例:SELECT Name, Id, CloseDate, Amount FROM Opportunity WHERE IsWon = TRUE AND CloseDate = LAST_N_DAYS:90- クエリを実行し、出力されたCSVの行数と項目を確認する
- 定期実行が必要な場合は、コマンドラインインターフェイスでの自動化を検討する
あわせて覚えておきたいポイント
| 手段 | 得意なこと | 制約 |
|---|---|---|
| データローダー | 項目・条件を指定したCSV出力と取り込み | インストールが必要 |
| データ エクスポート サービス | 組織全体のバックアップ | 週次:7日、月次:29日の間隔。行の絞り込み不可 |
| データ インポート ウィザード | CSVからのレコード作成・更新 | 取り出しには使えない |
| 開発者コンソール(クエリエディター) | SOQLで項目・条件を指定した抽出結果の参照と、その場でのレコード編集 | 結果をファイルに出力する機能はない。開発者向け権限が必要 |
- データローダーでも、自分のユーザーの権限で見えるデータしか出力できません。全件必要なら十分な権限を持つユーザーで実行します。
- [Export All]を選んだ場合は、ごみ箱(削除済み)のレコードも含めて出力されます。
- 「条件を指定できるか」と「ファイルを作れるか」を別の軸で判定するのが、この種の問題のコツです。SOQLが書けるだけでは正解になりません。
出典(Salesforce公式)
- Salesforce Data Loader — Data LoaderがSalesforceレコードをCSVへ取り出せ、UIとコマンドラインの両方を備えるクライアントアプリケーションであることの根拠
- Export Data — オブジェクト、項目、SOQL条件を指定してデータをCSVへ取り出す手順の根拠
- Export Backup Data from Salesforce — [設定]の当該機能が週次または月次のバックアップ用CSVを生成し、対象データ種別を選択する機能であることの根拠
- Data Export FAQ — 「バックアップファイルの手動生成は週次なら7日ごと、月次なら29日ごとに1回」
- Query Results Grid — 「クエリ結果グリッドは各レコードを行として表示し、開発者コンソールを離れずにレコードの作成・更新・削除ができる」(ファイル出力機能の記載はないことの根拠)
- Learn Data Export Methods and Steps for Salesforce — 「当該サービスは週次なら7日、月次なら29日ごとに手動実行でき、Data Loaderは別途インストールしてUIまたはコマンドラインで操作する」