Administrator 練習問題 Q233
ユニバーサルコンテナには、営業チームAと営業チームBという2つの営業チームがあります。各チームは役割階層において独自の役割を持ち、両方の役割は同じマネージャー役割の下位にあります。プラットフォーム管理者は、営業チームAが所有するレコードを営業チームBとどのように共有すればよいでしょうか?
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正答:B. 所有者ベースの共有
解説
前提知識
レコード公開範囲の基本原則
Salesforceのレコードの見え方は、**「まず全員を締める → 例外的に開ける」**という一方通行の設計です。
- **組織の共有設定(OWD)**で初期値を決める
- ロール階層で縦方向に開ける
- 共有ルールで横方向に開ける
- 手動共有・チームでレコード1件単位に開ける
ロール階層の限界
ロール階層が自動で作るのは、「階層上の部下が所有するレコードに、上位ロールがアクセスできる」という縦方向のアクセスだけです。 設問のように同じ階層に並ぶ2つのロールの間には、ロール階層は何のアクセスも作りません。ここを埋めるのが共有ルールです。
2種類の共有ルール
| 種類 | 開ける基準 | 問題文の目印 |
|---|---|---|
| 所有者ベースの共有ルール | 誰が所有しているか(ロール、ロールと部下、公開グループ) | 「〜ロールが所有するレコード」 |
| 条件(基準)ベースの共有ルール | レコードの項目値 | 「地域=西日本のレコード」 |
Salesforce公式は、所有者ベースの共有ルールを「特定のユーザーが所有するレコードへのアクセスを開放するもの」と定義しています。
📘 OWD・ロール階層・共有ルール・手動共有の役割分担がまだモヤッとする方へ。全体像を一から整理した記事を用意しています→ 共有設定の全体像:組織の共有設定・ロール階層・共有ルールで公開範囲を決める
設問の状況を分解する
- 2つのロールはロール階層の同じレベルにある
- 片方のロールが所有するレコードを、もう片方に見せたい
- 恒常的な仕組みとして自動で開けたい 「所有する」という言葉が直接のヒントです。項目値ではなく所有者で判断しているので、所有者ベースの共有ルールです。
選択肢の検討
A. 基準に基づく共有(条件ベースの共有ルール) → △(惜しいが不正解)
同じ「共有ルール」の仲間で、自動で横方向に開ける点も同じです。しかしこちらはレコードの項目値(地域、種別、金額など)を基準に開ける仕組みです。 設問は「あるロールが所有するレコード」と言っており、項目値については一言も触れていません。基準を選ぶと、所有者が違うのに条件に一致するレコードまで開いてしまいます。
B. 所有者ベースの共有 → ⭕ 正解
「営業チームAロールのメンバーが所有するレコードを、営業チームBロールに共有する」というルールを1つ作るだけです。ロール階層では届かない横方向のアクセスを、自動かつ恒常的に開けます。
C. 階層的な共有(ロール階層) → ✕
ロール階層は縦方向しか効きません。同じレベルのロール同士は、互いのレコードを見られません。これが本問の前提そのものです。 もちろん片方をもう片方の下に移動させれば見えますが、それは組織図の意味を壊す設計であり、管理者の取るべき手段ではありません。
D. 手動共有 → ✕
レコードを1件ずつ、手で相手に開く方法です。ロール間の恒常的なアクセスを作る目的には使えません。レコードが増えるとすぐに破綻します。「この1件だけ例外的に見せたい」という問題のときだけ選びます。
管理者としての対処手順
- [設定]のクイック検索で
共有設定を開く - 対象オブジェクトの**組織の共有設定(OWD)が「非公開」**になっていることを確認する(公開ならそもそも共有ルールは不要)
- 対象オブジェクトの共有ルールで[新規]をクリックする
- ルールタイプで**[レコード所有者に基づく]**を選択する
- 共有元(例:営業チームAロール)と共有先(例:営業チームBロール)を指定する
- アクセスレベル(参照のみ/参照・更新可能)を選び、保存する
- 双方向に見せたい場合は、逆向きのルールももう1つ作成する
あわせて覚えておきたいポイント
- 共有ルールは一方通行です。A→Bのルールを作っても、BのレコードがAに見えるようにはなりません。
- 共有の仕組みでアクセスを狭めることはできません。狭めたい場合はOWD自体を見直します。
- 共有元・共有先にはロールのほか、公開グループやロールと部下を指定できます。複数のロールをまとめて扱いたいときは公開グループを使うとルール数を押さえられます。
出典(Salesforce公式)
- Create Owner-Based Sharing Rules — 「所有者ベースの共有ルールは、特定のユーザーが所有するレコードへのアクセスを開放する」(本問の決定的根拠)
- Sharing Rule Types — 共有ルールに所有者ベースと条件(基準)ベースの2種類があることの根拠
- Sharing and Record Access Features — 「組織の共有設定は各オブジェクトのアクセスのベースラインを与える」「ロール階層は、階層上の部下が所有または共有されているレコードへのアクセスを自動的に付与する」(選択肢Cが縦方向限定である根拠)
- Define Sharing Rules(Trailhead) — 「共有ルールを使って、ロール階層の構造を超えてアクセスを拡張する」