Administrator 練習問題 Q40
AW Computingは、地域に6つの営業チームを持っています。これらのチームは、常に同じアカウントマネージャー、エンジニア、アシスタントで構成されています。チームが同じ顧客とのコラボレーションを容易にするために、管理者は何を構成する必要がありますか?
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正答:B. アカウントチームを有効にし、デフォルトのアカウントチームを設定する方法をユーザーに示します。
解説
前提知識
レコードの所有者は必ず1人
Salesforceでは、すべてのレコードに所有者が1人だけ存在します。ところが実際の営業は、担当営業・エンジニア・アシスタントの3人で1社を見る、といった動き方をします。この「1人しか所有者になれない」という制約をどう埋めるかが、この設問のテーマです。
取引先チーム(アカウントチーム)とは
1件の取引先を複数のメンバーで担当するための仕組みです。所有者は1人のままで、そこに役割つきの担当者を追加し、取引先・商談・ケースそれぞれに対して参照のみ/参照・更新のアクセス権を渡せます。
デフォルト取引先チームとは
いつも同じ顔ぶれで動くチームのために、あらかじめメンバーの組み合わせを登録しておく機能です。各ユーザーが個人設定の[詳細ユーザー情報]→[デフォルト取引先チーム]に固定メンバーを登録しておくと、新しい取引先にワンクリックでチームをまとめて追加できます。 公式ヘルプは「個人設定の詳細ユーザー情報でデフォルト取引先チームを開き、[追加]をクリックして、取引先および関連レコードへのアクセス権を選びながら同僚を追加する」と手順を案内しています。
💡 ここがまだモヤッとする方へ。取引先チームの設定手順と商談チームとの違いをまとめた記事があります → 取引先チーム(アカウントチーム)とは:同じ顧客を複数人で担当する仕組み
商談チームと商談分割
商談チームは案件単位でメンバーを組む仕組みです。商談分割を併用すると、1件の商談の売上を複数メンバーに配分して記録できます。対象が「案件」であり「顧客」ではない点が、取引先チームとの決定的な違いです。
キューとは
「まだ担当者が決まっていない仕事の受け皿」です。Salesforce公式が標準でキューを利用できる対象として挙げるのは、ケース、取引先責任者要求、リード、注文、カスタムオブジェクト、サービス契約、ナレッジ記事バージョンなどです。取引先は対象に含まれないため、キューを所有者にはできません。
設問の状況を分解する
- 地域ごとに6つの営業チームがある
- 各チームは常に同じアカウントマネージャー、エンジニア、アシスタントで構成されている
- チームが同じ顧客とのコラボレーションを容易にしたい キーワードは2つです。
- 「同じ顧客」:対象は案件ではなく取引先。だから取引先チーム
- 「常に同じ構成メンバー」:毎回手作業で追加するのは無駄。だからデフォルト取引先チーム この2つが揃うと、答えは「取引先チームを有効化し、さらにデフォルト取引先チームを設定させる」の一択になります。設問がわざわざ「常に同じメンバー」と書いているのは、デフォルト取引先チームまで答えさせるためのヒントです。 初学者が誤解しやすいのは、「複数人にアクセスさせたい=共有ルールや共有設定の話」だと考えてしまう点です。共有ルールは「ロールやグループ単位で、条件に合うレコードをまとめて開放する」仕組みであり、メンバーごとの役割を記録することはできません。今回は誰がどの役割でその顧客を担当しているかを表現したいので、チーム機能が適しています。
選択肢の検討
A. 分割を使用して標準の商談チームを有効にして構成します。 → ✕(惜しいが不正解)
チーム機能という点では方向が合っています。しかし商談チームが管理するのは案件単位のメンバー構成です。設問は「同じ顧客とのコラボレーション」を求めているので、対象がずれています。 さらに商談分割は、売上を複数メンバーに配分して評価するための機能です。設問には売上配分や報奨の話が一切出てきません。必要のない機能を持ち出している点でも不適切です。 これが正解になるのは、「1件の大型商談に複数の営業が関わり、それぞれの貢献度に応じて売上を按分したい」という設問です。
B. アカウントチームを有効にし、デフォルトのアカウントチームを設定する方法をユーザーに示します。 → ⭕ 正解
取引先チームを有効化すれば、1件の取引先に役割つきで複数メンバーを登録し、必要なアクセス権を渡せます。さらにデフォルト取引先チームを各ユーザーに設定してもらえば、固定メンバーを毎回選び直す手間がなくなります。 「同じ顧客」「常に同じメンバー」という2つの条件に、それぞれ正面から対応しています。「ユーザーに設定方法を示す」という表現も適切です。デフォルト取引先チームは各ユーザーの個人設定に登録するものだからです。
C. チームごとにキューを作成し、アカウントの所有権をキューに割り当てます。 → ✕
二重に成立しません。まず、取引先はキューを所有者にできません。キューが使えるのはリード、ケース、ToDo、注文、カスタムオブジェクトなどに限られます。 加えて、キューは「誰が引き取るか決まっていない仕事を一時的に置く場所」です。担当が確定していて、常に同じメンバーで対応する顧客に使う設計ではありません。役割の記録もできません。
D. ユーザーがすべてのアカウントをチームメートと手動で共有することを提案します。 → ✕
技術的には可能ですが、運用として破綻します。取引先が増えるたびに、担当者が1件ずつ手動共有を設定しなければなりません。設問は「コラボレーションを容易にする」ことを求めているのに、作業量を増やす提案になっています。 また、手動共有はアクセス権を開くだけで、誰がどの役割なのかを記録できません。所有者が変わると手動共有が失われる点も運用リスクです。
管理者としての対処手順
- [設定]→ クイック検索に「取引先チーム」と入力 →[取引先チーム]を開く
- [取引先チームを有効化]を選択する
- [チームの役割]で、自社に合った役割名を選択リスト値として登録する(例:アカウントマネージャー、エンジニア、アシスタント)
- 取引先のページレイアウトに[取引先チーム]関連リストを追加する
- 各ユーザーに、個人設定の[詳細ユーザー情報]→[デフォルト取引先チーム]で固定メンバーを登録してもらう
- メンバーごとに、取引先・商談・ケースへのアクセス権(参照のみ/参照・更新)を設定してもらう
- 必要に応じて、[自分が作成した、または自分に移行された取引先にデフォルト取引先チームを自動追加]を各ユーザーが選択する。既存の全取引先へ反映する場合は[これらのメンバーで取引先チームを更新]を使用する
⚠️ デフォルト取引先チームは各ユーザーの個人設定ですが、管理者はユーザーレコードから管理できます。データローダでデフォルトチームを扱う場合の対象は
UserAccountTeamMemberです。個別の取引先に実際に追加済みのチームメンバーを扱うAccountTeamMemberと混同しないでください。なお、デフォルトチームを自動追加するユーザー設定はAPIでは設定できず、ユーザーごとの画面設定が必要です。
あわせて覚えておきたいポイント
- 取引先の所有者が変わるとき、[取引先チームを保持]を選べばチームメンバーはそのまま残ります。選ばなければチームは削除されます。試験でも実務でもよく問われる挙動です。
- チームメンバーに与えられるアクセス権は、組織の共有設定(OWD)より弱くはできません。OWDが「公開/参照・更新」なら、チーム設定に関係なく全員が編集できます。チーム機能が意味を持つのは、OWDが「非公開」または「公開/参照のみ」のときです。
- 対象で覚えると混乱しません。顧客単位なら取引先チーム、案件単位なら商談チーム、ケース単位ならケースチーム。
- 「常に同じ」「毎回同じ顔ぶれ」という表現が出てきたら、デフォルト設定を持つ機能(デフォルト取引先チーム、デフォルト商談チーム)を疑ってください。
出典(Salesforce公式)
- Set Up and Manage a Default Account Team — 個人設定または管理者によるユーザーレコードからデフォルト取引先チームを設定し、取引先・関連商談・ケースへのアクセスと役割を指定できること。新規作成または移行された取引先へ自動追加する設定もあること
- Set Up Queues — キューを利用できる標準対象の一覧に取引先が含まれず、取引先の所有者としてキューを使用できないこと
- Specify access level when you import Account or Opportunity team members — デフォルト取引先チームをAPIで管理するオブジェクトは
UserAccountTeamMemberであり、自動追加設定はAPIで変更できないこと - Set Up Account Teams(Trailhead) — 取引先チームの有効化、チームの役割の定義、デフォルト取引先チームへのメンバーとアクセス権の設定という一連の手順
- Considerations for Changing a Record’s Owner — 「所有者が変わっても取引先チームを残すには[取引先チームを保持]を選択する。選択しない場合はチームが削除される」
- Queue Management — キューが対象とするオブジェクトと、担当者未定の作業を割り当てるための仕組みであるという位置づけ