Administrator 練習問題 Q177
Cloud Kicksのセールスマネージャーは、30%を超える商談の値引は営業担当副社長が承認する必要があるビジネスプロセスを設定したいと考えています。10%を超える値引は、ユーザーのマネージャーによる承認が必要です。管理者は、承認プロセスの作成を任されています。この承認プロセスを設定する前に、管理者が確認する必要がある2つの考慮事項はどれですか。2つ選択してください
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2つ選択してください(0/2)
正答:A. 値引率を保持するカスタム値引項目を商談に作成します。 / B. 販売ユーザーの[ユーザーの詳細]ページの[マネージャー]標準フィールドに入力します。
解説
前提知識
承認プロセスとは
レコードを誰が、どの条件で、どの順番に承認するかを自動化する機能です。主な構成要素は次の3つです。
- 開始条件:どのレコードを承認に回すか
- 承認ステップ:誰が、どの条件で承認するか
- 承認・却下時のアクション:項目更新、メール送信、レコードロックなど 1つの承認プロセスには複数の承認ステップを設定できます。Salesforce公式の値引承認プロセス例も、1つのプロセス内に「マネージャー承認」と「営業担当副社長承認」の2ステップを作成しています。
💡 承認プロセスの全体像(開始条件、承認ステップ、レコードロック)がまだモヤッとする方へ → 承認プロセスとは何か:「上司の承認をもらう」を仕組み化する
商談の値引率を判定する項目
標準の[値引]項目は、商談本体ではなく**商談商品(Opportunity Product)**にある明細単位の項目です。本問のように「商談全体の値引率が10%を超えたか、30%を超えたか」を承認条件に使うには、商談に判定用のパーセント項目が必要です。 Salesforce公式Trailheadの値引承認プロセスでも、準備作業として商談にカスタムの[値引率]項目を作成しています。
[マネージャー]標準項目
ユーザーレコードにある「このユーザーの上司は誰か」を示す項目です。承認者を申請者や商談所有者のマネージャーに自動割り当てする場合、この項目が空欄だと承認者を決定できません。 これはロール階層とは別物です。ロール階層はレコードアクセスを広げる仕組みであり、[マネージャー]項目は承認経路などで上司を特定するためのユーザー項目です。
設問の状況を分解する
要件は次のとおりです。
- 値引率が10%以下:承認不要
- 値引率が10%超:ユーザーのマネージャーが承認
- 値引率が30%超:マネージャー承認に加えて、営業担当副社長も承認 この設計に必要な事前準備は2つです。
- 承認条件を判定できる商談の値引率項目を用意する
- マネージャー承認の割り当て先となる[マネージャー]項目を入力する 承認プロセスは1つで構成できます。開始条件を「値引率が10%超」とし、1番目のステップをマネージャー承認、2番目のステップを「値引率が30%超の場合のみ」営業担当副社長承認にします。
選択肢の検討
A. 値引率を保持するカスタム値引項目を商談に作成します。 → ⭕ 正解
承認プロセスには、10%超・30%超を判定する項目が必要です。標準の[値引]項目は商談商品の明細項目であり、商談本体の値引率を直接保持する標準項目ではありません。 そのため、商談にカスタムのパーセント項目を作り、承認条件で参照できるようにします。Salesforce公式の値引承認プロセス演習でも、承認プロセス作成前に商談へ[Discount Percentage]項目を追加しています。
B. 販売ユーザーの[ユーザーの詳細]ページの[マネージャー]標準フィールドに入力します。 → ⭕ 正解
マネージャーへ自動割り当てするには、対象ユーザーの[マネージャー]項目が設定されている必要があります。空欄のままでは、Salesforceが承認者を特定できません。 本番稼働前に、承認申請を行う営業ユーザー全員について、正しい上司が登録されているかを確認します。
C. 2つの別々の承認プロセスを構成します。 → ✕
別々にする必要はありません。1つの承認プロセスに複数の承認ステップを作成できます。
- ステップ1:値引率が10%超ならマネージャー承認
- ステップ2:値引率が30%超なら営業担当副社長承認 Salesforce公式Trailheadでも、この構成と同じ考え方で、マネージャー承認と営業担当副社長承認を1つの値引承認プロセス内に作成しています。2つの承認プロセスに分けると、1件の申請を順番に両方へ通す設計が複雑になります。
D. 送信者が承認者を手動で選択できるようにします。 → ✕
承認者は要件で「ユーザーのマネージャー」と「営業担当副社長」に決まっています。申請者に選ばせる必要はありません。 手動選択は、案件ごとに承認者が変わり、項目や組織情報から自動判定できない場合に使用します。本問で手動選択を許可すると、定められた承認経路を回避できるため不適切です。
管理者としての対処手順
- [設定]→[オブジェクトマネージャ]→[商談]→[項目とリレーション]で、値引率を保持するカスタムのパーセント項目を作成する。
- 値引率の入力元を決める。手入力にする場合は入力権限を制御し、商談商品から計算する場合はフローなどで算出する。
- [設定]→[ユーザー]で、申請対象となる営業ユーザーの[マネージャー]項目を確認し、正しい上司を入力する。
- [設定]→[承認プロセス]→[商談]で、1つの値引承認プロセスを作成する。
- 開始条件を「値引率が10%超」に設定する。
- 承認ステップ1を「値引率が10%超」とし、承認者をユーザーの[マネージャー]項目から自動割り当てする。
- 承認ステップ2を「値引率が30%超」とし、承認者を営業担当副社長に固定する。
- 10%、15%、30%、35%のテストデータで、境界値を含めて承認経路を確認する。
| 値引率 | 期待する結果 |
|---|---|
| 10% | 承認プロセスに入らない |
| 15% | マネージャー承認のみ |
| 30% | マネージャー承認のみ |
| 35% | マネージャー承認後、営業担当副社長承認 |
あわせて覚えておきたいポイント
- 「10%を超える」「30%を超える」は、10%と30%を含みません。境界値テストが必要です。
- 承認プロセスの開始条件と、各承認ステップの条件は別です。
- [マネージャー]項目を使う承認経路は、異動・退職時のユーザーメンテナンスが欠かせません。
- 承認申請中のレコードは既定でロックされます。誰が編集できるかも稼働前に確認します。
出典(Salesforce公式)
- Prepare Your Org(Trailhead) — 値引承認プロセスの準備として、商談にカスタムの[値引率]項目を作成し、ユーザーの[マネージャー]項目を設定する
- Create Initial Submission Actions(Trailhead) — 1つの承認プロセス内に、条件付きのマネージャー承認ステップと営業担当副社長承認ステップを作成する
- Opportunity Product Fields — 標準の[Discount]項目は商談商品にあり、商品の値引率を保持する
- Choose an Automated Approver Throughout a Classic Approval Process — [マネージャー]などの階層項目を使用して承認者を自動割り当てできる