Administrator 練習問題 Q262
Northern Trail Outfittersでは、ケースオブジェクトが非公開に設定されています。サポートマネージャーは、担当者が予想以上に広い範囲のデータを閲覧でき、グループダッシュボードですべてのケースを閲覧できることに懸念を表明しました。営業担当者がダッシュボード上のデータに不適切にアクセスしてしまう原因は何でしょうか?
左の○で回答を選択。本文を押すと横線で除外でき、もう一度押すと戻せます。
1つ選択してください(0/1)
正答:D. パブリックダッシュボード。
解説
前提知識
組織の共有設定が「非公開」とは
オブジェクトごとに定める、レコード参照のベースラインです。ケースが「非公開」の場合、原則としてレコードの所有者と、ロール階層で上位にいるユーザーだけがそのケースを開けます。他人のケースは検索にもリストビューにも出てきません。
ダッシュボードの実行ユーザーとは
ダッシュボードのグラフは、元になるレポートを裏側で実行して数値を作ります。このとき「誰としてレポートを実行するか」を決めるのが実行ユーザー([ダッシュボードの表示方法])です。実行ユーザーに広い権限を持つユーザーを指定すると、閲覧者は自分では開けないレコードの集計値まで見えます。実行ユーザーを[ダッシュボードの閲覧者]にしたものが動的ダッシュボードで、この場合は閲覧者自身のアクセス範囲で集計されます。
フォルダー共有とは
ダッシュボードはフォルダーに入れて共有します。公開フォルダーに置いて広く共有すれば多くのユーザーが開けますが、フォルダー共有が決めるのは「開けるかどうか」だけであり、表示される数字の範囲は実行ユーザーが決めます。
💡 ここがまだモヤッとする方へ:ダッシュボードの実行ユーザー:誰の目線でデータが見えるのかを決める仕組み で、フォルダー共有との違いを整理しています。
設問の状況を分解する
- ケースオブジェクトの組織の共有設定は「非公開」
- それにもかかわらず、担当者はグループのダッシュボードで全ケースを閲覧できている
- レコードを直接開ける状態ではなく、ダッシュボード上で広いデータが見えている
- つまり原因は共有設定の破れではなく、ダッシュボードの構成にある 初学者が誤解しがちな点は、「ダッシュボードは必ず閲覧者自身の共有設定に従って絞られる」と考えてしまうことです。固定実行ユーザーを指定した静的ダッシュボードでは、その実行ユーザーの権限で集計され、ダッシュボードを閲覧できる人には同じデータが表示されます。動的ダッシュボードでは、閲覧者自身のアクセス範囲で集計されます。
選択肢の検討
A. ダッシュボードフィルター → ✕
ダッシュボードフィルターは、ウィジェットに表示するデータを選択条件で切り替える機能です。フィルターを変更しても、ダッシュボードの実行ユーザーがアクセスできないレコードまで新たに表示できるわけではありません。今回の過剰表示の根本原因は、フィルターではなく実行ユーザーとフォルダー共有の組み合わせです。
B. ダッシュボードのサブスクリプション → ✕
サブスクリプションは、ダッシュボードの結果を指定したスケジュールでメール配信する機能です。配信されるのはダッシュボードの表示内容そのものなので、アクセス範囲を広げる原因にはなりません。「更新に気づけない」という相談ならこれが打ち手です。
C. 動的ダッシュボード → ✕
動的ダッシュボードは、ログインしている閲覧者自身のアクセス権に基づいてデータを表示します。ケースの組織の共有設定が非公開で、担当者に追加共有がなければ、担当者がアクセスできるケースだけが集計対象になります。そのため、今回の症状の原因ではなく、個人別に表示範囲を制限するための対処候補です。
D. パブリックダッシュボード。 → ⭕ 想定解(条件付き)
ダッシュボードが公開または共有フォルダーにあり担当者が閲覧でき、かつ広い権限を持つ固定実行ユーザーとして実行されている場合、担当者は自分ではアクセスできないケースを含む集計データを見ることがあります。公開フォルダーは「誰がダッシュボードを開けるか」を広げ、固定実行ユーザーは「どのデータが表示されるか」を広げます。D単独では説明が不足しますが、選択肢の中ではこの構成を最も近く表しています。
管理者としての対処手順
- 該当ダッシュボードを開き、画面上部の「表示中:〇〇」(Viewing as)で実行ユーザーを確認する
- [ダッシュボードを編集]→ 歯車アイコン(プロパティ)→[ダッシュボードの表示方法]を開く
- 各自の数字だけを見せる場合は[ダッシュボードの閲覧者]を選び、動的ダッシュボードにする
- [閲覧者に実行ユーザーを選ばせる]が不要ならオフにする
- 全社合計をあえて共有する必要がある場合は、実行ユーザーは変えずに、ダッシュボードと元レポートを置くフォルダーの共有範囲をマネージャーだけに絞る
- 権限の狭いユーザーでログインし、表示件数が想定どおりに減っているか確認する
あわせて覚えておきたいポイント
| 決めたいこと | 使う設定 |
|---|---|
| ダッシュボードを開ける人 | フォルダーの共有(および参照権限) |
| 表示される数字の範囲 | 実行ユーザー([ダッシュボードの表示方法]) |
| 閲覧者ごとに数字を変える | 動的ダッシュボード(実行ユーザー=閲覧者) |
- レポートも同じ考え方が必要です。ダッシュボードだけ直しても、元レポートを共有したままなら閲覧者は自分の権限でレポートを開けます(この場合は自分のアクセス範囲しか見えません)。
- 「レポートで見ると少ないのに、ダッシュボードだと多い」という相談は、ほぼ実行ユーザーの話です。
出典(Salesforce公式)
- Control Dashboard Data Visibility — 静的ダッシュボードは指定した実行ユーザーの権限、動的ダッシュボードはログインユーザーの権限に基づいて表示データが決まることを裏付けています。
- Dashboard Data Visibility Considerations — 広い権限を持つ固定実行ユーザーを指定すると、閲覧者が通常より多くのデータを見る可能性があることを明示しています。
- Configure Dashboard Data Visibility in Lightning Experience — [ダッシュボードの表示方法]で、自分、別のユーザー、ダッシュボードの閲覧者のいずれを実行ユーザーにするか設定できることを裏付けています。
- Dynamic Dashboards — 動的ダッシュボードでは各ユーザーに、そのユーザーがアクセスできるデータだけが表示されることを裏付けています。
- Report and Dashboard Folders — レポートやダッシュボードを共有するには保存先フォルダーを共有し、フォルダーアクセスがダッシュボードを開ける人を制御することを裏付けています。