Administrator 練習問題 Q197
プラットフォーム管理者は、特定の条件を満たす商談が成立した際に営業チームに承認プロセスを設定する必要があります。管理者は、適切なレコードがプロセスに含まれていることをどのように確認すればよいでしょうか?
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正答:A. 承認プロセスに特定のエントリ基準を設定します。
解説
前提知識
承認プロセスとは
「このレコードについて、上司の承認をもらってから先に進む」という流れを、Salesforce 上で仕組みにする機能です。 公式の定義が、この問題の答えをそのまま含んでいます。
📌 「承認プロセスは、レコードが承認申請される前に満たす必要がある基準、レコードが承認されるために必要なステップ、そして各ステップで誰が承認しなければならないかを指定する」
エントリ基準とは
「どのレコードをこの承認プロセスに入れるか」を決める入口の条件です。例えば「商談金額が100万円以上」「割引率が20%を超えている」などを指定します。
- 基準を満たすレコード → 承認申請されたときに、この承認プロセスの対象になれる
- 基準を満たさないレコード → この承認プロセスには申請できない 重要なのは、エントリ基準は対象レコードを選別する条件であり、レコードを自動で承認申請する仕組みではないことです。自動申請が必要なら、別途フローなどから承認申請アクションを実行します。
エントリ基準とステップの条件は別物
初心者が混同しやすいので、層を分けて整理しておきます。
| どこの条件か | 決めること |
|---|---|
| エントリ基準(プロセス全体) | そのレコードがこの承認プロセスに入るか否か |
| ステップの条件 | プロセスに入った後、そのステップを通るか飛ばすか |
本問は「適切なレコードがプロセスに含まれていること」を問うているので、上の段、すなわちエントリ基準の話です。
📘 承認プロセスの全体像(構成要素、直列・並列承認、ロックの挙動など)はこちらで詳しく解説しています→ 承認プロセスとは何か:「上司の承認をもらう」を仕組み化する
設問の要件を整理する
- 特定条件を満たす商談を承認対象にしたい
- ただし特定の条件を満たすものに限る
- 問われているのは「適切なレコードだけがプロセスに入っていることをどう保証するか」 これはまさにエントリ基準の役割そのものです。
選択肢の検討
A. 特定のエントリ基準を設定する → ⭕ 正解
承認プロセスには、標準でこの「入口の関所」が用意されています。余計な仕組みを追加せず、承認プロセスの設定画面だけで完結します。 例えばこう設定します。
フェーズ = 成約
かつ 金額 >= 1000000
これで、承認申請が行われた際に、条件を満たす商談だけがこの承認プロセスの対象になります。
B. 動的フォームを使ってボタンを表示する → ✕
動的フォームは、レコードページ上で項目の表示・非表示を条件で切り替える機能です。見た目の話です。 仮に「承認申請」ボタンの見せ方を制御できたとしても、**ボタンが見えないだけで、他の経路からの申請を防げません。**プロセスの入口を保証する仕組みにはなりません。
C. 画面フローを作成する → ✕
画面フローは、ユーザーがボタンを押して、表示された画面に入力するタイプの自動化です。 ここで問題なのは、ユーザーがボタンを押しなければ何も起きないという点です。「適切なレコードが必ずプロセスに入ることを保証する」という要件に対して、人の手に依存する設計は答えになりません。 加えて、承認プロセスに標準である機能を、わざわざフローで作り直すのは二重実装です。ノーコードの原則に反します。
D. 商談に入力規則を追加する → ✕
これが本問の最大の引っ掛けです。 入力規則(検証ルール)にできるのは、「条件を満たすレコードの保存を拒絶して、エラーを出す」ことだけです。
| できること | |
|---|---|
| 入力規則 | レコードを保存させない |
| エントリ基準 | レコードを承認プロセスに入れるか否かを決める |
入力規則を何本書いても、**承認プロセスの対象を絞ることはできません。**目的が全く違う機能です。
💡 「条件を満たすレコードだけを…」という文脈を見ると、反射的に入力規則を選んでしまう人がいます。入力規則は「保存を止める」だけ、と覚えておけば引っ掛かりません。
管理者としての対処手順
- [設定]→[承認プロセス]を開き、オブジェクトで商談を選ぶ
- 新規承認プロセスを作成する(ジャンプスタートウィザードでも可)
- **[エントリ基準]**に条件を指定する(例:フェーズ=成約 かつ 金額>=100万)
- 承認者を決める。上司に回すなら[次の自動承認者の決定元]で**[マネージャー]**を選ぶ
- 承認ステップを追加する。金額帯で承認者を分けたいなら、ステップ側にも条件を入れる
- 初期送信アクションでレコードがロックされることを確認し、必要なら調整する
- 有効化し、条件を満たす商談と満たさない商談の両方でテストする
⚠️ 承認プロセスは**有効化するまで一切動きません。**作っただけで安心するのは、よくある失敗です。
あわせて覚えておきたいポイント
- 1つのオブジェクトに承認プロセスを複数作れます。上から順に評価され、最初にエントリ基準を満たしたものが適用されます。
- エントリ基準は、承認プロセスの対象を選別する条件です。自動申請や保存の強制は行いません。
- 「保存を止めたい」なら入力規則、「承認を経由させたい」なら承認プロセス。目的によって道具を選び分けるのが管理者の仕事です。
出典(Salesforce公式)
- Create an Approval Process(Trailhead) — 決定的根拠:「承認プロセスは、レコードが承認申請される前に満たす必要がある基準、レコードが承認されるために必要なステップ、そして各ステップで誰が承認しなければならないかを指定する」
- Control Which Records Apply to an Approval Step — ステップ単位の条件によって、プロセス内でどのレコードがそのステップに進むかを制御できること(エントリ基準との層の違い)
- Set Up an Approval Process — 承認プロセスの作成手順と、有効化が必要であること
- Automate Business Processes(Trailhead) — 「既定の初期送信アクションは、レコードをロックする」