Administrator 練習問題 Q155
プラットフォーム管理者は、ダッシュボード上でユーザーに個別のデータビューをどのように提供すればよいでしょうか?
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正答:B. 動的ダッシュボードを作成します。
解説
前提知識
ダッシュボードの実行ユーザーとは
ダッシュボードは、裏側でレポートを走らせて数字を集計しています。このとき「誰の権限で走らせるか」を決めるのが実行ユーザーです。Salesforce公式は「ダッシュボードは、そのダッシュボードの実行ユーザーがアクセスできるデータのみを表示する」と明記しています。開いた人の権限ではない、というのが初学者の最大の落とし穴です。
動的ダッシュボードとは
実行ユーザーを「今それを見ている人」にする設定です。公式は「動的ダッシュボードは、各ユーザーがアクセス権を持つデータのみを表示する」と定義しています。つまり1枚作れば、Aさんが開けばAさんのデータ、Bさんが開けばBさんのデータが出ます。これが本問の言う「個別のデータビュー」です。
💡 実行ユーザーと動的ダッシュボードの関係がまだモヤッとする方へ。一から整理した記事を用意しています→ ダッシュボードの実行ユーザー:誰の目線でデータが見えるのかを決める仕組み
ダッシュボードフィルターとは
閲覧者が画面上で「地域 = 東日本」などを選んで、表示を一時的に絞り込む機能です。あくまですでに見えているデータを絞る道具であって、権限を切り替える道具ではありません。
設問の状況を分解する
問題文は短いですが、要求は二つです。
- ユーザーごとに(全員共通ではない)
- 個別のデータビュー(見える中身が違う) この二つを、ダッシュボードを人数分量産せずに実現する仕組みが問われています。「見た目を絞る」のか「集計する権限そのものを切り替える」のか、ここを分けて考えられるかが分岐点です。
選択肢の検討
A. ダッシュボードフィルターを追加して、ダッシュボードビューを変更します。 → △(惜しいが不正解)
閲覧者が自分で絞り込めるので、見た目上は「自分向けのビュー」になります。しかしフィルターは手動で外せます。実行ユーザーが広い権限を持っていれば、フィルターを外した瞬間に他人の数字が見えてしまいます。「見える範囲は全員同じでよいが、切り口を変えて見たい」ならこれが正解です。
B. 動的ダッシュボードを作成します。 → ⭕ 正解
各ユーザーのアクセス権で集計されるため、1枚のダッシュボードで、閲覧者ごとに異なるデータビューを提供できます。権限のないデータはそもそも集計されないので、情報漏えいの心配もありません。
C. 「ダッシュボードの表示方法」を自分に設定します。 → ✕
実行ユーザーを「作成者本人」に固定する設定です。誰が開いても作成者の権限で集計されるので、全員がまったく同じ数字を見ます。個別のビューの真逆です。「自分専用の分析を作りたい」ならこれで十分です。
D. 「ダッシュボードの表示方法」を「別のユーザー」に設定します。 → ✕
実行ユーザーを特定の人物に固定する設定です。これも全員が同じ数字を見ます。「共有設定を変えずに、全員に全社の数字を見せたい」ならこれが正解になります。本問とは要件が逆です。
管理者としての対処手順
- 対象のダッシュボードを開き、[編集]をクリックする
- [ダッシュボードのプロパティ]を開く
- 表示方法で[ダッシュボードを表示しているユーザー](動的ダッシュボード)を選ぶ
- 保存し、異なるロールのテストユーザーで見え方を確認する
| 設定 | 集計に使われる権限 | 見える数字 |
|---|---|---|
| 自分 | 作成者 | 全員同じ |
| 別のユーザー | 指定した固定ユーザー | 全員同じ |
| 表示しているユーザー | 開いた人 | 人によって違う |
あわせて覚えておきたいポイント
- 動的ダッシュボードには組織あたりの上限数があります(Enterprise Editionは5、Unlimited/Performanceは10。緩和には申請が必要)。「全部動的にすればいい」という設計は破綻します。
- レポートには実行ユーザーという概念がありません。レポートは常に実行した本人の権限で動きます。
出典(Salesforce公式)
- Dynamic Dashboards(help.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.dashboards_dynamic_overview.htm) — 「動的ダッシュボードは、各ユーザーがアクセス権を持つデータのみを表示する」(本問の決定的根拠)
- Dashboards(help.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.rd_dashboards_overview.htm) — 「ダッシュボードは、そのダッシュボードの実行ユーザーがアクセスできるデータのみを表示する」(選択肢C・Dを切る根拠)
- Configure Dashboard Data Visibility in Lightning Experience(help.salesforce.com/s/articleView?id=analytics.dashboards_view_as.htm) — 表示方法を「自分」「別のユーザー」「表示しているユーザー」から選ぶ設定手順の根拠
- Increase ‘Maximum Number of Dynamic Dashboards’ limit(help.salesforce.com/s/articleView?id=000387279) — 動的ダッシュボードに組織単位の上限があることの根拠