Administrator 練習問題 Q66
Agentforceはサポートチームにケースをエスカレーションしていますが、サポートチームからは状況が把握できておらず、顧客に全てをもう一度説明してもらう必要があるという苦情が出ています。この問題の原因として最も可能性が高いのは、どの設定の問題でしょうか?
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正答:B. サポートチームのケースページレイアウトに、会話履歴を参照するためのメッセージングセッション関連リストがありません。
解説
前提知識
Agentforceのエスカレーションとは
Agentforceが問い合わせを解決できない場合、人間のサービス担当者へ対応を引き継ぐことをエスカレーション(ハンドオフ)と呼びます。Salesforceの標準的な会話転送では、Outbound Omni-Channelフローを使って進行中の会話を担当者やキューへ転送します。この転送には、それまでのメッセージと収集済み情報も含まれます。
ケースとメッセージングセッションの関係
顧客との会話はメッセージングセッションに記録されます。Agentforceの[Create Case with Enhanced Data]アクションを使うと、対応内容の要約を含むケースが作成され、条件を満たす場合は会話トランスクリプトもケースに関連付けられます。 ただし、関連データが保存されていても、ケースページからメッセージングセッションを参照できるレイアウトになっていなければ、担当者は会話履歴へすぐに到達できません。Salesforce公式は、作成されたケースからトランスクリプトを表示するために、ケースページレイアウトへメッセージングセッション関連リストを追加するよう案内しています。
設問の状況を分解する
- 顧客はAgentforceに状況を説明している
- Agentforceからサポートチームへ対応が引き継がれている
- サポート担当者はケースを受け取っているが、直前の会話内容を確認できない
- 顧客が同じ説明を繰り返すことになっている 本問の焦点は、会話が保存されていないことではなく、担当者のケース画面から保存済みの会話履歴を参照できないことです。したがって、ケースページレイアウト上の関連リスト設定を確認します。
選択肢の検討
A. サポート チーム メンバーに Agentforce ユーザー権限セットがありません。 → ✕
Agentforceを作成・管理するための権限と、人間のサービス担当者が引き継がれた会話を処理するための権限は別です。問題文では担当者がケースを受け取っており、問題は会話履歴を確認できないことです。Agentforceユーザー権限セットの欠如を直接の原因とは判断できません。 この選択肢が正解になるのは、担当者ではなく管理者やビルダーがAgentforceの設定画面・機能へアクセスできない場合です。
B. サポートチームのケースページレイアウトに、会話履歴を参照するためのメッセージングセッション関連リストがありません。 → ⭕ 正解
ケースと会話トランスクリプトが関連付けられていても、ケースページからメッセージングセッションへ移動できなければ、担当者は引き継ぎ前の文脈を確認しにくくなります。Salesforce公式も、作成されたケース上でトランスクリプトを参照するため、ケースページレイアウトにメッセージングセッション関連リストを追加するよう明記しています。
C. エージェントの指示により、履歴とコンテキストが保存されません。 → ✕
トピックの指示は、エージェントがどのように判断し、どのアクションを使うかを導く自然言語のルールです。メッセージングセッションや会話トランスクリプトの保存方式を、指示文が直接無効化するわけではありません。 この選択肢が正解になるのは、履歴保存ではなく、指示不足によって必要なケース作成アクションやエスカレーションアクションが選択されない場合です。
D. ハンドオフでは、既存のセッションを転送するのではなく、新しいケースが作成されます。 → ✕
Salesforceの会話ハンドオフは、Outbound Omni-Channelフローで進行中の会話を転送する仕組みであり、会話履歴も次の担当先へ渡されます。また、ケースを作成する設計でも、[Create Case with Enhanced Data]を正しく使えば会話トランスクリプトを関連付けられます。 「ハンドオフは常に新規ケースだけを作り、既存セッションを引き継がない」という説明は公式仕様と一致しません。
管理者としての対処手順
- [設定]→[オブジェクトマネージャー]→[ケース]を開く
- [ページレイアウト]から、サポートチームが使用するケースレイアウトを開く
- [関連リスト]から[メッセージングセッション]をケースレイアウトへ追加する
- Lightningレコードページで関連リストが表示される構成になっているか確認する
- メッセージングセッションのレコードページで、担当者が会話内容を確認できるコンポーネントと権限を確認する
- Agentforceからケースを作成する場合は、[Create Case with Enhanced Data]アクションへ有効なメッセージングセッションIDが渡されているかテストする
- 実際にAgentforceとの会話からケースを作成または転送し、担当者が過去のメッセージを確認できることを検証する
| 確認箇所 | 役割 |
|---|---|
| Outbound Omni-Channelフロー | 進行中の会話と履歴を人間の担当先へ転送する |
| Create Case with Enhanced Data | 会話の要約と、条件を満たす場合はリンク済みトランスクリプトを持つケースを作成する |
| ケースページレイアウト | ケースからメッセージングセッションと会話履歴へ到達できるようにする |
あわせて覚えておきたいポイント
- 保存されているかと画面から参照できるかは別問題です。レコードが存在しても、関連リスト・Lightningページ・権限のいずれかが不足すると利用者には見えません。
- [Create Case with Enhanced Data]は、有効なメッセージングセッションIDを取得できない環境では基本的なケース作成へフォールバックし、トランスクリプトが関連付けられません。
- 標準の会話転送では、メッセージと収集済み情報も次の担当先へ転送されます。Dのように「ハンドオフでは履歴を転送しない」と覚えてはいけません。
出典(Salesforce公式)
- Transfer Conversations from an Agent with an Omni-Channel Flow — Outbound Omni-Channelフローで会話を転送し、メッセージや収集済み情報を含む会話履歴も次の担当先へ渡すことの根拠
- Service | Create Case with Enhanced Data — 詳細なコンテキストとリンク済みトランスクリプトを持つケースを作成できること、およびケースからトランスクリプトを見るにはメッセージングセッション関連リストを追加することの根拠