Administrator 練習問題 Q158
Cloud Kicks のプラットフォーム管理者は、リードにカスタム選択リスト項目を設定していますが、リードの取引開始時に取引先責任者にその項目が表示されません。これらの値を確実に入力するには、管理者はどの 2 つの手順を実行する必要がありますか?
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正答:B. 取引先責任者にカスタム選択リスト項目を作成します。 / C. リード上の選択リスト項目を取引先責任者に対応付けます。
解説
前提知識
リードの取引開始とは
リード(見込み客)は、会社の情報と人の情報が1つのレコードに混ざった仮置きの箱です。これを正式なレコードに分解するのが**取引開始(Lead Conversion)**です。ボタン1つで、次の3つが生まれます。
- 取引先(Account): 会社の情報
- 取引先責任者(Contact): その会社にいる人の情報
- 商談(Opportunity): 金額と受注予定日を持つ案件(作らない選択も可能)
項目の対応付け(マッピング)とは
取引開始時に、リードのどの項目の値を、変換後のどの項目へ渡すかを定義した設定です。ここが本問の核心です。
- 会社名や姓名などの標準項目は、Salesforceがあらかじめ対応関係を持っているので自動で引き継がれる
- 管理者が作ったカスタム項目は、対応付けを手動で設定しない限り引き継がれない しかも、対応付けを設定しようにも、引き継ぎ先の項目が存在しなければ選べません。だから「項目を作る」と「対応付ける」の2手順が必要になるのです。
🔄 ここがまだモヤッとする方へ。取引開始で具体的に何が作られ、何が引き継がれて何が引き継がれないのかを、一から整理した記事を用意しています→ リードの取引開始(コンバージョン)で何が起きるのかを整理する
設問の状況を分解する
起きていることを時系列で並べます。
- 管理者がリードにカスタム選択リスト項目を作成した
- 営業担当がその項目に値を入力した
- リードを取引開始した
- できあがった取引先責任者に、その項目が見当たらない 初学者が誤解しがちなのは、これを「値が消えた」と捉えてしまうことです。実際には値が消えたのではなく、取引先責任者側にそもそも受け皿となる項目が存在していないのです。リードレコードを見に行けば、値は取引開始済みのリードにそのまま残っています。 もう一つの誤解は、「入力を強制すれば引き継がれるだろう」という思い込みです。入力を強制する仕組みと、値を運ぶ仕組みは別物です。
選択肢の検討
A. 入力規則を使用して選択リストの値を更新します。 → ✕
入力規則(検証ルール)は、保存時に条件をチェックして、条件に合わなければ保存をブロックしてエラーメッセージを出す機能です。値を書き換えたり、別のオブジェクトにコピーしたりする機能は持っていません。 これが正解になるのは、問題が「不正な値の保存を防ぎたい」と聞いている場合です。なお、項目の値を自動で書き換えたいなら、使うのはフローや項目自動更新です。
B. 取引先責任者にカスタム選択リスト項目を作成します。 → ⭕ 正解
引き継ぎ先の受け皿を作る手順です。リード側が選択リストの場合、取引先責任者側には選択リストのほか、テキスト、テキストエリア、制限なし選択リストを対応付けられる場合があります。本問では選択リスト項目をそのまま扱いたいため、取引先責任者側にもカスタム選択リスト項目を作成し、利用する値を揃えます。 この手順を飛ばすと、次のCの対応付け画面で割当先を選べません。
C. リード上の選択リスト項目を取引先責任者に対応付けます。 → ⭕ 正解
値を運ぶ配管をつなぐ手順です。Salesforce公式は、リードのカスタム項目を取引開始後のレコードの項目に対応付けることで、取引開始で作成されるレコードを最大限活用できると説明しています。 BとCは、どちらか一方だけでは目的を達成できません。だから「2つの手順」を問われているのです。
D. リードオブジェクトで選択リスト項目を必須に設定します。 → △(惜しいが不正解)
問題文に「これらの値を確実に入力するには」とあるので、必須化を選びたくなります。しかし必須化が保証するのは「リードに値が入っていること」だけです。今回の障害は、値が入っているのに取引先責任者に現れないことなので、原因に対する手当てになっていません。 判別基準は、問題の症状が「入力漏れ」なのか「引き継ぎ漏れ」なのかです。入力漏れなら必須化や入力規則、引き継ぎ漏れなら項目作成と対応付けです。
管理者としての対処手順
- [設定]→[オブジェクトマネージャ]→[取引先責任者]→[項目とリレーション]→[新規]で、選択リスト項目を作成する。
- リード側と同じ選択肢(値)を登録する。
- [設定]→[オブジェクトマネージャ]→[リード]→[項目とリレーション]→[項目の対応付け]を開く。
- 対象のカスタム項目の行で、[取引先責任者]列に手順1の項目を指定して保存する。
- テスト用リードを作って実際に取引開始を実行し、値が渡っていることを確認する。
- すでに取引開始済みのレコードには遡及適用されないため、必要ならデータローダで一括更新する。
あわせて覚えておきたいポイント
| やりたいこと | 使うもの |
|---|---|
| リードへの入力を強制したい | ページレイアウトで必須化、または項目定義で必須 |
| 不正な値の保存を止めたい | 入力規則 |
| 取引開始時に値を引き継ぎたい | 引き継ぎ先の項目作成 + 項目の対応付け |
| 取引開始後に値を加工して入れたい | レコードトリガーフロー |
選択リストの値は、項目の対応付け画面で別の値へ変換するのではありません。リード側の値が変換先の制限付き選択リストに存在しない場合や、変換後レコードのレコードタイプで利用できない場合は、取引開始エラーになります。値とレコードタイプの設定を揃えてください。
出典(Salesforce公式)
- リードの取引開始に対するリードのカスタム項目の対応付け — 「リードのカスタム項目を取引開始後のレコードの項目に対応付けるときに、取引開始したリードから作成されるレコードを最大限に活用できる」(本問の決定的根拠。カスタム項目は対応付けの設定が必要)
- リードの取引開始時の項目の対応付け — 取引開始時にリードの項目が取引先・取引先責任者・商談のどの項目へ渡るかを定義する仕組み
- リードのカスタム項目の対応付けに関するガイドライン — カスタム選択リストは、テキスト、テキストエリア、または制限なし選択リストに対応付けられる。対応付けは常に同一データ型に限定されない
- リードの取引開始エラー — 制限付き選択リストに対応付ける場合、リード側の値に対応する値が変換先にも必要である
- リードの作成と取引の開始(Trailhead) — 「[変換]をクリックする」「既存の取引先責任者とマージするか、新しい取引先責任者を作成するかを選択できる」(取引開始の振る舞いの根拠)
- 見込み客としてのリードの作成と取引開始(Trailhead) — 「リードと商談はセールスプロセスの異なるフェーズを表す」