Administrator 練習問題 Q162
Cloud Kicksには「Shoe」というカスタムオブジェクトがあります。管理者は、取引先とShoeの間にリレーションを作成するとき、Shoeレコードが孤立しないように求められています。この要件を満たすには、管理者は何をする必要がありますか?
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正答:D. 主従関係を作成します。
解説
前提知識
「孤立する」とは
親レコードを持たない子レコードができてしまう状態です。今回なら、どの取引先にもぶら下がっていない Shoe レコードが残ってしまう状態です。 孤立は2つの経路で発生します。
- 親を指定せずに子レコードを作成できてしまう
- 親レコードを削除しても、子がそのまま残ってしまう この両方を一つの設定で防げるのが主従関係です。
主従関係(マスター・詳細)とは
親に完全に従属するつなぎ方です。主な性質は次のとおりです。
- 親の指定は必須。空のまま保存できない
- 親を削除すると、子も自動で削除される(カスケード削除)
- 子の所有者とアクセス権は親に従う
- 親側で積み上げ集計を作れる Trailhead は「親のレコードが削除されると、関連する子レコードもすべて削除される」と説明しています。つまり、親のない子は原理的に存在しえません。
💡 主従関係と参照関係の違いを、使い分けの基準まで含めて一から知りたい方へ → 主従関係とは何か:親が消えたら子も消える関係
参照関係(ルックアップ)との違い
参照関係は、主従関係より独立性の高いつなぎ方です。参照項目を必須にしたり、削除時の動作を設定できる場合もありますが、詳細レコードの所有権・共有・積み上げ集計まで親に従属させる仕組みではありません。 本問の選択肢の中で、Shoeを取引先に完全従属させ、親なしの詳細レコードを許さない関係は主従関係です。
設問の状況を分解する
- カスタムオブジェクト Shoe がある
- 取引先(アカウント)と Shoe の間にリレーションを作る
- 要件は「Shoe レコードを孤立させないこと」 「孤立させない」というキーワードから、取引先をマスター、Shoeを詳細とする主従関係を選びます。主従関係では詳細側の親項目が必須で、親を削除すると関連する詳細レコードも削除されます。
選択肢の検討
A. 間接ルックアップを作成します → ✕
間接参照関係は、外部オブジェクト(Salesforce Connect で外部システムのデータを見ているオブジェクト)を標準・カスタムオブジェクトにつなぐための特殊な項目です。外部IDを使って照合します。 Shoe はSalesforce内のカスタムオブジェクトなので、対象外です。
B. 暗号化されたルックアップを作成します → ✕
そのようなリレーション種別は存在しません。暗号化はテキスト項目などに適用するデータ保護の仕組みであって、レコード間のつなぎ方とは無関係です。
C. 階層ルックアップを作成します → ✕
階層関係は実在しますが、ユーザーオブジェクト専用の特殊な参照関係です。ユーザーを別のユーザー(上司など)につなぐために使います。取引先とカスタムオブジェクトの間には使えません。
D. 主従関係を作成します。 → ⭕ 正解
取引先を親、Shoe を子にすることで、親の指定が必須になり、親を削除したときは子も一緒に削除されます。孤立した Shoe レコードは原理的に発生しません。
管理者としての対処手順
- [設定]→[オブジェクトマネージャ]→Shoe(子にするオブジェクト)を開く。
- [項目とリレーション]→[新規]→データ型に[主従関係]を選ぶ。
- 関連先に[取引先]を選ぶ。
- 項目名とAPI参照名を入力し、共有設定のアクセス権(親の参照権限で子を編集できるか、編集権限が必要か)を選ぶ。
- ページレイアウトと関連リストへの追加を確認して保存する。
- Shoeに既存レコードがある場合は、主従関係を直接新規作成できません。まず参照関係を作成して全Shoeレコードに取引先を設定し、その後で参照関係を主従関係へ変換する。
- 削除の影響範囲を関係者に周知する。取引先を1件消すと、ぶら下がる Shoe がすべて消えます。
あわせて覚えておきたいポイント
| リレーション種別 | 用途 |
|---|---|
| 主従関係 | 親なしでは成立しない子を縛る。集計もできる |
| 参照関係 | 独立性の高い紐づけ。必須設定や削除動作は項目設定により異なる |
| 階層関係 | ユーザーオブジェクト専用。上司を指す |
| 外部・間接参照関係 | 外部オブジェクトとのつなぎ込み |
主従関係を参照関係に戻すと、詳細レコードが親から所有権・共有を継承する仕組みと、主従関係に組み込まれたカスケード削除が失われます。変換前に、孤立防止要件を別設定で満たせるかを再確認します。
出典(Salesforce公式)
- Object Relationships Overview — 主従関係、参照関係、階層関係、外部・間接参照関係の定義と使い分け(選択肢A・B・Cを除外する根拠)
- Create Object Relationships(Trailhead) — 「主従関係では詳細オブジェクトは単独では機能せず、マスターのレコードが削除されると関連する詳細レコードもすべて削除される」(選択肢Dの根拠)
- Unable to create a master-detail relationship — 既存レコードがあるカスタムオブジェクトでは、参照関係を作成して全レコードに親を設定した後、主従関係へ変換する手順
- External Lookup and Indirect Lookup Relationship Fields on External Objects — 間接参照関係が外部オブジェクト専用であることの根拠(選択肢A)