Administrator 練習問題 Q180
Cloud Kicks では、営業担当が商談レコードの割引を利用して、特定の商品の販売を促進しています。商談が成立すると、関連する商談商品に割引を手動で適用する必要があります。営業マネージャーは、この時間のかかる作業を自動化する方法があるかどうか尋ねています。プラットフォーム管理者は、この要件を満たすためにどのようなツールを使用すべきでしょうか?
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正答:C. フロービルダー
解説
前提知識
商談と商談商品の関係
商談(Opportunity)は「この案件全体」を表す親レコード、商談商品(Opportunity Product)は「その案件で何を何個売るか」を表す子レコードです。割引率や単価は商談商品側にも項目として存在します。つまり本問は「親の値を見て、子のレコードを更新したい」という要件です。
レコードトリガフローとは
フロービルダーは、クリック操作で自動化を作るSalesforceの主力ツールです。その中のレコードトリガフローは、レコードが作成・更新・削除されたときに自動で走ります。 本問のような「商談が成立になったら」という契機は、「レコードが更新され、フェーズが「成立」に変わったとき」というトリガー条件にそのまま翻訳できます。そしてフローは、トリガーになったレコードだけでなく、関連する別のレコード(ここでは商談商品)を取得して更新できるのが最大の強みです。
「項目を見せる」と「項目に書き込む」は別物
初学者が最も混乱するのがここです。数式項目は計算結果を表示するだけで、データベースに値を保存しません。「項目に値を入れる」要件なら、自動化ツールが必要です。
設問の状況を分解する
- 営業担当が商談レコードに割引を入力する
- 商談が成立になる
- 人間が手作業で、関連する商談商品に同じ割引を入力し直している
- この手作業をなくしたい ポイントは、この作業が「条件を満たしたときに、別オブジェクトのレコードを更新する」という形に整理できることです。この形になった時点で、答えはレコードトリガフローで確定します。
選択肢の検討
A. 承認プロセス → ✕
人間の承認を回す仕組みです。本問には「誰かのレビューを経由したい」という要件がありません。自動で項目を更新する動作自体は承認プロセスでも可能ですが、それは「承認されたら」の話であり、しかも更新できるのは原則として申請されたレコード自身です。「高額値引は上司の承認を経させたい」ならこれが正解です。
B. 数式項目 → △(惜しいが不正解)
親の値を子側に持ってくるという意味では発想は惜しいです。しかし数式項目は読み取り専用の表示です。値は保存されず、既存の割引項目に書き込むこともできません。また、商談と商談商品の関係は主従関係なので親項目の参照はできますが、「成立したときの値を固定して残す」ということもできません(親を後から直すと表示も変わる)。「常に親の現在値を参照できればよい」ならこれが正解です。
C. フロービルダー → ⭕ 正解
商談のフェーズが成立に変わったことを契機に、関連する商談商品を取得し、割引を一括で更新できます。コード不要で、古いワークフロールールやプロセスビルダーの後継としてSalesforceが推奨する自動化ツールです。
D. 作成済みマクロ → ✕
マクロは、ユーザーがボタンを押したときに一連の画面操作を代行する機能で、主にサービスコンソールで使います。人が押さなければ動かないので、「自動化」にはなりません。「手順は決まっているが、実行するかどうかは人が判断したい」ならこれが正解です。
管理者としての対処手順
- [設定]→[フロー]→[新規フロー]で[レコードトリガフロー]を選ぶ
- オブジェクトに[商談]、トリガーに[レコードが更新されたとき]を選ぶ
- 条件に[フェーズ = Closed Won]を設定し、[条件に一致するように変更された場合のみ実行]を選ぶ(保存のたびに再実行されないようにする)
- フローの実行タイミングは[レコードの保存後]を選ぶ(別オブジェクトを更新するため)
- [レコードを取得]要素で、TriggeringRecordのIdをキーに商談商品を複数取得する
- [ループ]と[割り当て]で割引値をセットし、[レコードを更新]で一括保存する
- デバッグで検証し、[有効化]する
あわせて覚えておきたいポイント
| やりたいこと | 適切なツール |
|---|---|
| 値を計算して見せるだけ | 数式項目 |
| 値を保存する・他レコードを更新する | レコードトリガフロー |
| 人の判断を介在させる | 承認プロセス |
| 人の操作を短縮する | マクロ・クイックアクション |
| 入力ミスを防ぐ | 検証ルール |
問題文に「自動化したい」とあり、人の承認が不要なら、まずフローを疑ってください。
設問データの補正
選択肢A〜Dの末尾に付いていた数字(1〜4)はページ番号由来のゴミデータのため削除し、「数式フィールド」「ビルド済みマクロ」をSalesforceの日本語訳語に合わせて「数式項目」「作成済みマクロ」に修正しました。意味内容は変えていません。
出典(Salesforce公式)
- Flow Builder(help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.flow_builder.htm) — フロービルダーで宣言的に自動化を作成できることの根拠
- Record-Triggered Flows(trailhead.salesforce.com/content/learn/modules/flow-implementation-1) — レコードの作成・更新を契機にフローが実行され、関連レコードを更新できることの根拠
- [承認申請]アクション(help.salesforce.com/s/articleView?id=platform.flow_ref_elements_actions_approval.htm) — 承認プロセスが「申請と承認」を扱う仕組みであることの根拠(選択肢Aを切る根拠)