Administrator 練習問題 Q144
コールセンターのサービス担当者には、担当デスクが割り当てられていません。担当者は空いているデスクに座り、そのデスクにあるコンピュータを使用してSalesforceにアクセスします。プラットフォーム管理者は、担当者が別のコンピュータでログインするたびに認証する必要がないように、ログインプロセスを効率化するよう依頼されています。この依頼を実現するために、管理者はどの機能を使用すべきでしょうか?
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正答:B. 信頼できるIP範囲
解説
前提知識
ID確認(デバイスアクティベーション)とは
Salesforceは、ユーザーが見覚えのないブラウザーやデバイスからログインしたときに、メールやSMSで届くコードの入力を求めます。これがID確認(identity verification)です。 フリーアドレスやデバイス共用の環境では、毎回違う組み合わせでログインすることになるため、毎日のようにコード入力を要求されます。設問の問題はこれです。
信頼できるIP範囲とは
信頼できるIP範囲(Trusted IP Ranges)は、「このネットワークからのアクセスは安全とみなす」とSalesforceに教える設定です。公式ナレッジは、信頼できるIPアドレス範囲が設定されていない場合、ユーザーは新しいブラウザーやデバイスからログインする際にID確認を求められる、と明記しています。 つまり、オフィスのIPを信頼できるIP範囲に登録すれば、そのネットワークからのログインではID確認が不要になります。デスクやデバイスが毎日変わっても、IPは同じオフィスのものです。
2つのIP設定を混同しない
| 設定 | 場所 | 効果 |
|---|---|---|
| 信頼できるIP範囲(組織全体) | [設定]→[ネットワークアクセス] | 範囲内ならID確認をスキップ。範囲外でもログイン自体はできる |
| ログインIP範囲(プロファイル) | プロファイル設定 | 範囲外からはログイン自体を拒否 |
前者は「確認を省く」、後者は「入れなくする」です。設問が「安全性を保ちながら効率化」を求めているので、選ぶべきは前者です。
設問の状況を分解する
- フリーアドレス=座席もデバイスも毎回変わる
- そのたびに確認コードを求められている=ID確認が毎回発動している
- しかし場所は同じオフィス=ネットワーク(IP)は共通 変わるもの(デバイス・ブラウザー)ではなく、変わらないもの(オフィスのIP)を信頼の基準にすることが解決策です。
選択肢の検討
A. カスタムプロファイル → ✕
プロファイルは「どのオブジェクトや機能を使えるか」を決めるもので、それ自体がID確認を抑えるわけではありません。 なお、プロファイルにログインIP範囲を設定するのであればID確認を回避できますが、選択肢は「カスタムプロファイルを作る」としか言っていないため、手段として不十分です。さらにログインIP範囲は範囲外のログインを禁止するため、在宅勤務や出張時にログインできなくなります。
B. 信頼できるIP範囲 → ⭕ 正解
オフィスのIP範囲を登録すれば、そのネットワークからのログインでID確認が不要になります。座席や端末が変わっても影響されません。範囲外(在宅・出張先)からは従来どおりID確認が働くため、オフィス内の確認作業だけを減らせます。
C. 多要素認証(MFA) → ✕
MFAは、パスワードに加えて別の認証要素を要求する仕組みです。未知の端末で発生するID確認の頻度を下げる設定ではないため、本問の解決策ではありません。 信頼できるIP範囲はID確認チャレンジを省略しますが、組織のMFAポリシー自体を無効化するものではありません。ID確認とMFAは別の層です。
D. 権限セット → ✕
権限セットはオブジェクト・項目・機能への権限を足す仕組みであり、ログイン時の確認動作には関係しません。
管理者としての対処手順
- 情報システム部門に確認し、オフィスの固定グローバルIPアドレスの範囲を把握する
- [設定]のクイック検索で
ネットワークアクセスを開く - [新規]で開始IPアドレスと終了IPアドレスを登録し、説明に拠点名を書く
- オフィス内のテスト端末で、確認コードを求められないことを確認する
- ログイン履歴で、意図しないネットワークが信頼範囲に含まれていないか定期的に見直す
あわせて覚えておきたいポイント
- 信頼できるIP範囲とプロファイルのログインIP範囲の違いは頻出です。「確認を省く=信頼できるIP範囲」「入れないようにする=ログインIP範囲」と覚えてください。
- ログインIP範囲をプロファイルに設定した場合も、その範囲内ではID確認なしでログインできます。ただし範囲外からのログインを完全に拒否するため、在宅勤務や出張の設計に注意が必要です。
- 信頼できるIP範囲では追加のID確認が行われないため、登録範囲は必要最小限にします。VPNや社内ネットワークの管理が堅牢な環境で使用します。
出典(Salesforce公式)
- Set Trusted IP Ranges for Your Org — 「指定したIPアドレスからはID検証チャレンジを受けずにログインでき、範囲外ではID確認を求められる」(本問の決定的根拠)
- Restrict Login IP Addresses in Profiles — 「プロファイルの許可範囲外からのログインは拒否される」
- Device Activation for Salesforce Orgs — 「ユーザーが未知のデバイスやブラウザーから、信頼できるIP範囲外でログインすると、SalesforceはIDの確認を求める」(信頼範囲内では確認が発生しないことの裏返し)