Administrator 練習問題 Q102
Cloud Kicksは、ケースが7日以上開いている場合、ケースの所有者を変更する必要があります。管理者はこの要件をどのように完了する必要がありますか?
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正答:C. エスカレーションルール
解説
前提知識
ケースとは
ケース(Case)は、顧客からの問い合わせやクレーム1件を表すレコードです。「いつ来たか」「誰が対応しているか」「解決したか」を記録します。サポート業務の中心になるオブジェクトです。
「所有者」とは
ケースなど、所有者を持つオブジェクトのレコードには所有者(Owner)が設定されます。ケースの所有者は個人ユーザー、またはキュー(担当者が決まっていない仕事の置き場)にできます。ここでは「今このケースに責任を持つユーザーまたはチーム」を表します。
エスカレーションルールとは
「一定時間が経っても解決していないケースを、別のユーザーやキューに回し、必要なら通知する」ための標準機能です。設定は[設定]→クイック検索に「エスカレーションルール」。 ルールの中にルールエントリを並べ、各エントリで次を決めます。
- 条件:どんなケースを対象にするか(例:優先度が「高」、レコードタイプが「製品サポート」)
- エスカレーション日時:作成から何時間後にエスカレーションするか
- エスカレーションアクション:誰に再割り当てするか、誰に通知するか ここで重要なのは、エスカレーションアクションに**「ケースの所有者を変更する(ユーザーまたはキューへ再割り当てする)」**が含まれている点です。本問はまさにこれです。
設問の状況を分解する
設問の要求を分解すると、次の2つです。
- 時間の経過が引き金である(7日以上オープンのまま)
- やることは所有者の変更である 初学者がつまずくのは、「所有者を自動で決める機能」を全部ひとまとめに覚えてしまうことです。Salesforceでは**引き金(いつ動くか)**が機能ごとにはっきり分かれています。
- 新規のリード/ケースを条件に応じて振り分ける、または保存時に明示的に再適用する → 割り当てルール
- リード/ケースの送信に対して返信メールを送る → 自動応答ルール
- ケースが未解決のまま一定時間が経過したときに処理する → エスカレーションルール 「7日以上開いている場合」という時間条件が出てきた時点で、答えはエスカレーションルール一択になります。 ここがまだモヤッとする方へ。「所有者」と「キュー」、そして割り当てルールとの関係を一から整理した記事を用意しています→ レコードの所有者とキューを理解する:ケースが「誰のもの」になる仕組み
選択肢の検討
A. 自動応答ルール → ✕
自動応答ルールは、Web-to-CaseやEmail-to-Caseなどで送信されたケースに対し、レコードの属性に基づいて自動返信メールを送る機能です。ケース所有者を再割り当てする機能ではありません。 これが正解になるのは、「問い合わせを受けたら、受付完了メールを自動で返したい」という設問のときです。
B. 検証ルール → ✕
検証ルールは、保存しようとしているレコードの内容が条件に合わないときにエラーを出して保存を止める機能です。値を書き換えたり、所有者を変えたりする力はありません。「止める」だけの機能です。 これが正解になるのは、「クローズするときは解決方法の入力を必須にしたい」のような、入力チェックの設問です。
C. エスカレーションルール → ⭕ 正解
「ケースが一定時間オープンのままなら、別のユーザーまたはキューに再割り当てし、必要に応じて通知する」という要件そのものです。「7日以上」という経過時間を条件にできる標準機能は、ケースではこれだけです。
D. 割り当てルール → △(惜しいが不正解)
割り当てルールも確かに所有者を決める機能なので惜しい選択肢です。新規リード/ケースの振り分けに使われ、画面やAPIから明示的に再適用される場合もあります。ただし、割り当てルール自体には「未解決のまま7日経過したら実行する」という待機時間の仕組みはありません。 正解との判別基準は引き金が「作成時」か「経過時間」かの一点です。設問に「〜時間以上」「〜日以上」「解決されないまま」といった時間表現が出てきたらエスカレーションルール、「新規に作成されたレコードを振り分けたい」なら割り当てルール、と覚えてください。
管理者としての対処手順
- 再割り当て先を用意する。個人に渡すならユーザー、チームで受けるなら[設定]→「キュー」でケース用のキューを作成する。
- [設定]→ クイック検索に「エスカレーションルール」と入力し、[ケースエスカレーションルール]を開く。
- [新規]でルールを作成し、[有効]にチェックを入れる。有効化できるエスカレーションルールは同時に1つだけです。
- ルール詳細画面でルールエントリを[新規]作成し、対象ケースの条件を指定する。
- エスカレーション日時の基準を選び、要件に対応する[Age Over]を設定する。暦時間で7日を数えるなら、[営業時間を無視]するか24時間365日の営業時間を使ったうえで168時間を指定する。営業時間を適用する場合、168時間は「営業時間内の168時間」になるため、暦日の7日後とは一致しない。
- エスカレーションアクションで**[自動的にケースを割り当てる]**に再割り当て先のユーザーまたはキューを指定し、必要なら通知先も設定する。
- [設定]→「ケースエスカレーション」から[検索]し、対象ケースの[エスカレーション日時]列で発火予定時刻を確認する。
⚠️ エスカレーションルールは営業時間(Business Hours)の設定に影響を受けます。「24時間365日」で数えるのか「平日9〜18時だけ」で数えるのかで、7日後の時刻はまったく変わります。設定前に営業時間の扱いを必ず確認してください。
あわせて覚えておきたいポイント
ケース周りの「自動で何かする」機能は、引き金で整理すると混同しません。
| 機能 | 引き金 | やること |
|---|---|---|
| 割り当てルール | 新規作成時、または明示的な再適用時 | 所有者(ユーザー/キュー)を決める |
| 自動応答ルール | リード/ケースの送信時 | 問い合わせ元へ自動返信メールを送る |
| エスカレーションルール | 作成から一定時間経過後 | 再割り当て+通知 |
| 検証ルール | 保存時 | 条件に合わなければエラーで保存を止める |
| エンタイトルメント/マイルストン | 契約したSLAの時間経過 | 期限までの残り時間を追跡・警告する |
なお、レコードトリガーフローのスケジュール済みパスでも時間経過後の処理は設計できます。ただし本問の選択肢では、未解決ケースを一定時間後に再割り当てする専用標準機能であるエスカレーションルールが直接要件に一致します。
出典(Salesforce公式)
- Create an Escalation Rule(Trailhead) — 一定時間オープンのケースを別ユーザーまたはキューへ再ルーティングし、通知できることを裏付ける。
- Escalation Actions(Salesforce Help) — [Age Over]で未クローズ時間を指定し、ユーザーまたはキューへの再割り当てと通知を実行できることを裏付ける。
- Escalation Rule Entries(Salesforce Help) — エスカレーション時刻の計算で営業時間を無視するか、ケースまたは指定した営業時間を使うかを設定できることを裏付ける。
- Automate Cases with Rules(Salesforce Help) — 割り当てルール、エスカレーションルール、自動応答ルールの役割の違いを裏付ける。
- Set Up Auto-Response Rules(Salesforce Help) — 自動応答ルールがリード/ケース送信に対する返信メールを制御することを裏付ける。